冷え切った空気が
胸いっぱいに入ってくる
北風よこんなに冷たく吹くなんて
そんな約束はしていなかったよね
木枯らしが「さよなら」の言葉を言い放つ
でも仕方が無いのかな
さっきまで君が座っていたベンチに
温もりの欠片も残ってはいない
確かに奇麗な星空だ
オリオン座が僕を笑って見ているよ
この...
冷え切った空気が
胸いっぱいに入ってくる
北風よこんなに冷たく吹くなんて
そんな約束はしていなかったよね
木枯らしが「さよなら」の言葉を言い放つ
でも仕方が無いのかな
さっきまで君が座っていたベンチに
温もりの欠片も残ってはいない
確かに奇麗な星空だ
オリオン座が僕を笑って見ているよ
この...
一枚の白いカンバスに
全ての痛みを貼りつけていく
赤い痛み、橙色の痛み、黄色い痛み
緑の痛み、青色の痛み、藍色の痛み
そして
紫色の痛み
それは虹
懐かしい虹の色
泣いても良いですか
ここで
最後の痛みを
貼り付けた時
おおぞらを渡る
虹が砕け散った
音もなく
ゆっくりと
涙の中に
...
はるか遠くに白い雲が
流れていく
四角く切り取られた
ガラス窓の格子の中を
ゆっくりと
雄大に
手を重ねると
雲の呼吸を感じる
こんにちは
君は何処へと流れて行くの
真っ青に澄んだ空が
格子から雲を押し出したとき
小さなささやきと笑い声が
聞こえたような気がした
それは
懐かしい声だ
...
雲が太陽に目隠しをしたが
光はそれに負けなかった
だから降り積もった新雪が
白く眩しかった
笑い声と一緒に
二人の息が寒さに抜けて行った
長く白く
光の中に消えて行った
雪を踏みしめる音が
心地よく耳に響く
肌が切れそうに
痛い寒さの中
静止した白の大地の上を
ゆっくりと柔らかな白い雲が...
雪が降ってきた
メサイアの夜
キャロリングのともし火に
君の横顔も揺れている
清らかな
高く澄んだ歌声が聞こえる
「あら野のはてに」讃美歌の106番だ
この歌が好きって君は微笑んだ
黒い瞳にロウソクの炎が
ほのかに揺れている
雪が降ってきた
メサイアの夜
君の黒い髪と赤いコートに
白く降...