この眼は貴方を見据えるためにあり
この指は貴方を愛撫するためにあり
この唇は貴方に口付けを落とすためにあり
この舌は貴方に愛を囁くためにある
この眼はお前を射殺すためにあり
この指はお前を組み伏せるためにあり
この唇はお前を罵るためにあり
この舌はお前の血肉を味わうためにある
日日是悪日
この眼は貴方を見据えるためにあり
この指は貴方を愛撫するためにあり
この唇は貴方に口付けを落とすためにあり
この舌は貴方に愛を囁くためにある
この眼はお前を射殺すためにあり
この指はお前を組み伏せるためにあり
この唇はお前を罵るためにあり
この舌はお前の血肉を味わうためにある
手にしたのは 殺人道具
耳にするのは 雑音騒音
五月蝿くって しょうがない
肝心な音は 聞こえるかしら?
さあさあ みなさん
耳を澄まして
今からお聴きになって もらうのは
わたしの世界が 終わる音
銃一つで 演奏可能でございます
撃鉄下げて 引き金に指を添え
消音器は つけません
死ぬならい...
最愛、だなんて言うけれど
それは貴方の所持する幾つもの愛の中で
一番というだけの話
貴方の愛が他にも向けられるなんて耐えられないの
「最愛」だなんて言わないで
「わたしだけを愛してる」
これなら「最愛」と同義語だから
ほら、言って?
最上級の愛を その唇から
****
うわ、書いてて気持...
女として生きなくちゃあならない
月の花を体に抱え
潮の香りを身に纏い
二つ目の心臓を創り出す準備を
女として生きなくちゃあならない
月の女神は穢れを知らず
戦う乙女は畏れを知らず
女として生きなくちゃあならない
女として逝かなくちゃあならない
***
ある事を抽象的に伝えてみたいのだけ...
ふ と見上げた夜空には
あたりまえのように月が浮かんでいた。
寒月は高くあり ますます手は届かなくなるばかり。
夏より遠のいた姿は 別れたその人を思わせた。
凛と 冷たく存在し
憧憬の対象だった人。
さようならを告げたわたしの憧れ。
高みまで昇りつめた冷たい微笑は
十二分にまで白く輝いていた。
...