二日月が空を引っ掻いた時
お日様が西へと沈んで行った
焼けた色彩を
夕空にまき散らしながら
時計の決まって回る秒針のように
それは刻々と行われる儀式のようだ
目の前を通過する電車と
立ち止まっている私達と車の列
その先は現実なのか夢の世界なのか
それは誰も知らない
それでも遮断機が上がる...
二日月が空を引っ掻いた時
お日様が西へと沈んで行った
焼けた色彩を
夕空にまき散らしながら
時計の決まって回る秒針のように
それは刻々と行われる儀式のようだ
目の前を通過する電車と
立ち止まっている私達と車の列
その先は現実なのか夢の世界なのか
それは誰も知らない
それでも遮断機が上がる...
冬の雨より冷たい
雪解け水が一筋流れた
それは澄みきった
小さな流れ
その一滴は
遠い海まで届くのだろうか
私の澄みきった
この想いを映し融かしながら
濁ることなく
哀しく陽の光を反射しながら
海よ
遠く限りなく広く深い海よ
私の心の一粒をその中に
融かしきってくれないか
忘れきれない...
白い雪の中に春を見つけた
白い雪の中でそれは歌を歌っていた
小さな声で
ブツブツと何かを呟くように
楽しそうに
リズミカルに
雪が微笑んだ
そして雪も歌っていた
もうすぐ来る春の歌を
二人で歌っていた
黒い大地が甦り
緑の命が芽吹くとき
全ての命が復活し
きれいな花も咲き誇る
白い雪の...
壊れた市松模様のように
屋根に残っている雪
見ると
わずかに呼吸をしているかのよう
そこには車窓からの景色を見ながら
立って電車の揺れを楽しんでいる私がいた
ドアから離れ
やさしく日の差している座席に腰を下ろした
目をつぶると
急に別の世界が広がった
夢は希望は愛は
何処へ行ってしまっ...
雪の積もった小さなベンチ
昨日座った親子は何処へ
白い化粧は大きな綿菓子
昨日座った子らは何処へ
笑い声を吸い込んで
雪がしんしん落ちてくる
赤いベンチに舞い降りる
静かに静かに舞い降りる
まぁ、帰宅後
12時前から雪かき
自分だけの音が
ちょっぴり新雪の中響いていました
電車もガラガ...