その青の中に私は居た
澄みきった青の中に
ジェル状の空間が私を包む
やさしい花の香りがした
私はその場でけし粒のように小さくなり
眠りについた
目が覚めると
赤の中に私は居た
空気が赤く染まり
それは高温で燃えていた
熱のゆらぎが私を襲い
乾ききった砂の味がした
赤の躍動が見える
息を切...
その青の中に私は居た
澄みきった青の中に
ジェル状の空間が私を包む
やさしい花の香りがした
私はその場でけし粒のように小さくなり
眠りについた
目が覚めると
赤の中に私は居た
空気が赤く染まり
それは高温で燃えていた
熱のゆらぎが私を襲い
乾ききった砂の味がした
赤の躍動が見える
息を切...
一本の細い道が
私の前にある
それは
荒れ果てた野の中へと続いている
奥深い森林の中にあったと言う
王宮やその街並み
栄華の後は跡形もなく
崩れかけた石碑の名を尋ねても知る人は誰もいない
この道をかつて歩いた人々は
いったい何処へ消えてしまったのか
道端に小さく咲いている白い花に尋ねても
...
あの時、深く蒼い海の影に
あなたの微笑みがあった
あの時、風が穏やかに吹き
あなたの香りが波のように打ち寄せていた
あの時、おぼろげな遠くからの一筋の光を
やっとつかみ取る様に
心もとなさが足元に
散らばっていた
僕の魂と相容れない
あなたの魂が
抜け殻のように
目の前に浮いている
強く...
今
雨音が聞こえてくる
遠い世界から迷い込んできたような
そんな響きを道連れにして
手の届かない
ほのかな灯りが遥かに見え
重圧のリズムを
生みだしながら
それは不安な心の中に
融け込んでくる
少しの痛みと
わずかな苦しみを伴って
今
雨音が聞こえてくる
明日は晴れるのだろうか
暖かな...
私の吐き出した蒼い息が
大空に拡散する
その冷え切った気体を
誰が受け止めてくれるのだろう
やがて雲が吸い込み
雨となって地に降りそそぐのか
私の吐き出した悲しみを同化してくれるのは
いったい誰なのだろうか
空より巨大なスクリーンに
虹より大きく映し出される負の映像
それを見ながら私は嗚咽...