すすきの穂と一緒に
ゆっくりとあの海が後ろへと流れていく
雲は海にのしかかり
ウミネコが空をはう様に飛んでいた
風は潮の香りに満ち
遠く下北半島が紫色にかすんでいる
駅に降りると風が冷たく頬に当たる
ふいに遠くから祭りばやしが聞こえてきた
秋の恵みは
彼らにどのくらい分け与えられるのだろう...
すすきの穂と一緒に
ゆっくりとあの海が後ろへと流れていく
雲は海にのしかかり
ウミネコが空をはう様に飛んでいた
風は潮の香りに満ち
遠く下北半島が紫色にかすんでいる
駅に降りると風が冷たく頬に当たる
ふいに遠くから祭りばやしが聞こえてきた
秋の恵みは
彼らにどのくらい分け与えられるのだろう...
松葉ぼたんはお寝坊さん
少し冷やかになってきた
朝の空気をベッドにして
小さなかわいい花びらが眠っている
通勤者たちの足音がうるさいのか
いやいや片目を開けてしかめっ面をしている
松葉ぼたんはお寝坊さん
夏の終わりの精一杯の光の下で
蝶と遊ぶ事しか夢見ない
罪も汚れもない子供の寝顔
松葉ぼ...
わたしに色を下さい
わたしの心の中の幼い黄色に
あなたの強い心の黒を分けて下さい
出来上がった色
それが認識する新しい色
目に映るオリーブの感触
それはまぶしい
光が降り注ぐ澄んだ空気の中
わたしといっぱいの実が風にたわむれる
丘一面のオリーブ畑
わたしは一本の木の前にたたずむ
そして
...
ぼくは木に背を持たせている
あなたは黙って背を向けている
長い沈黙がそこにはあり
ただ空虚な時間だけが流れていく
そうして
あなたが見つめている空の色は
こうして
ぼくがじっと膝を抱えて見つめている
土の色と同じできっと澄んではいないのだろう
人を愛しても愛されない人と
人を愛そうとしても愛せな...
雨が降ってきた
私の心は少し踊った
傘の無いあなた
もう少し居てくれるかな
傘は貸さないよ
映画はもう一本借りてある
コーヒーをもう一杯入れるから
それよりあなたの家の猫の話しをしようよ
ほら
さっきより降ってきた
傘は貸さないよ
あなたの濡れる姿は見たくないわ
ふふふ
コーヒーをもう一...