私があなたを好きになったのは私ではなく鏡の中の私だった
自分の部屋が背景に映り込んだ鏡の中の私がそう言ったのだ
人を信じることのない私が鏡の中の私を信じてしまった
不完全な愛はここから始まった
街の大きなショッピングウインドウに映る私と彼の映像
おしゃれな格好をして手をつないでいる
それを見た瞬間が...
私があなたを好きになったのは私ではなく鏡の中の私だった
自分の部屋が背景に映り込んだ鏡の中の私がそう言ったのだ
人を信じることのない私が鏡の中の私を信じてしまった
不完全な愛はここから始まった
街の大きなショッピングウインドウに映る私と彼の映像
おしゃれな格好をして手をつないでいる
それを見た瞬間が...
あまりの晴れやかな日に虫たちは行進をする
広い庭の端から端へ虫の獣道がそこにはある
虫眼鏡でも見えない足跡が無数にある
私も小さくなって道を歩く背中に羽があったら飛べるのに
アリもダンゴムシもそう思っているとさっき知った
春の日差しが暑い草の葉の陰で一休み
急いで餌を運ぶアリが言ったもうじき雨が降...
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
笑った顔
怒った顔
笑った声
怒った声
化粧の香り
香水の香り
服の色目
髪の形
遠い日の思い出は
ぼやけているけど印象的だ
花びらが風に舞い散るように
一つ一つが落ちてきて欲しいな
その一つ一つ手の...
葉桜
瑞々しい若葉が青空に映える命が風になびいている
きれいなピンクや白の花びらはプロローグなのかもしれない
桜の主張は花びらではない生まれてくるこの若葉がそれだ
優し気な花びらに守られて生まれてくる新緑の美しさ
春の中に一斉に顔を出す花びらの絨毯をそっと人知れず登ってやって来たのか
この花の優しさ...
数えきれないほどの桜の花びらが舗道をピンクに染めている
花びら一枚一枚が桜色をしたスタンプのよう
幾つもの想いがそこには有り喜びや悲しみが封じ込まれている
春の風が吹きまた幾つもの花びらが宙に舞った
華麗に落ちてくるその小さな花びらの美しさよ
そこに込められた想いは一体何であろうか
次の日に季節外れ...