Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

夢の中で貴方と何度も再会する

明け方の夢。恋愛をしていた。肩を抱かれながら階段を上っている。私は以前彼と夢の中で会っていた。夢の中で再会したのだ。「夢に出会いさえすれば行ける(…)あのなかの何ひとつ現実には起きはしなかったし、あのなかの何ひとつ今後も起きなくても」(ポール・オースター『ティンブクトゥ』)

夢の男...

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私が身につけている指輪。

私はジプシーのように手持の貴金属の総てをいつも身につけている。ブレスレット、首飾り、指輪は七個。誕生石はトパーズだが嫌いなのでつけてない。色がルビーよりも血のようで好きなガーネット(亡父の誕生石でもあるから)、プルーストが夕焼の池のようだといった、ラリックも好んだオパール。

七個の指輪の内訳。右の...

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ほぼ満開の桜

毎日、近所から数キロ圏内の桜を見て回っている。縄張りを調べる猫のように。満開に近づく度、むせそうな、胸のどこかがきしむような眩暈が強くなってくる。過去の私と出逢うのだと思ったが違う。過去から連綿と続く彼らの瞬間に立ち会っているのだ。

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七分咲きの桜

縄張りをチェックする猫のように近所の桜を見て回る。まだ全体に、7分咲き位だからだろうか、うんざりとうっとりとするような幻想はない、或いは積み重ねてそれは始まるのだろうか。蕾がめだつ。川に映った桜と合わせて、満開にむせそうな気分を作る。水がどぶ臭い。このままを受け入れること。

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いつかみたゆめ、借金のとりたて

夢の中で私は知らない女性になっていた。
23歳ぐらいだろうか。
海外に行ってしまったらしい、別れた男が残した借金の取立てにあっている。
ジャングルジムや砂場があるさびしい公園で。
埃っぽい藤棚もあった。
私の知らない人生が、夜の世界で繰り広げられている。

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