【お話】あなたに赤い薔薇を。
- カテゴリ: コーデ広場
- 2024/07/04 16:45:40
薔薇を。
あなたに赤い薔薇を。
浮かび上がる泡が、ぶつぶつと何かをつぶやいている。
波間からさしてくる光が、揺れて、揺れる。
この海で、あなたに赤い薔薇を。
記憶は消えてゆく。
思い出も色あせてゆく。
それでも、あなたという人がいた。
その事実は消えない。
だから、薔薇を。
あなたに赤い薔薇を。
...
ほんのり楽しい、まったり時間。そんな場所。
薔薇を。
あなたに赤い薔薇を。
浮かび上がる泡が、ぶつぶつと何かをつぶやいている。
波間からさしてくる光が、揺れて、揺れる。
この海で、あなたに赤い薔薇を。
記憶は消えてゆく。
思い出も色あせてゆく。
それでも、あなたという人がいた。
その事実は消えない。
だから、薔薇を。
あなたに赤い薔薇を。
...
ブルスケッタ、なのよ。
なぜか突然、食べたくなったの。薄切りバゲットをかりっと焼いて、オリーブオイル塗って、
缶詰のツナとか炒めたキノコとか、いろんな具材を、にんにくをきかせたトマトピューレであえて、乗せる。
ざくざくっと、食べる。
オルゾでカフェオレを作って、飲んで、食べたなあって。
そういう...
メアリー・ポピンズが公園で、
太陽や月とデートしている話がなかったかしら。
この庭園で起きていることは、秘密なの。
タイムやローズマリー、花々の香りがささやくこの場所で、
月と星々がひっそり出会って、おしゃべりをしていることは。
内緒、内緒で、秘密なの。
***
メアリー・ポピンズの本は、子ども...
森で、星の光を拾った。
はかなくきらめき、憧れに満ちて、輝いていた。
あまりにもきれいで、自分のものにしてしまいたかったけれど、
そうしたら、この輝きが消えてしまうのもわかっていた。
だから、空へ。
あるべき場所へ。
無事にお帰り、と声をかけてかかげ、
手を離した。
星の光は静かに歌い、静かに震え...
風が吹く。花が泳ぐ。
大気が揺れる。花が踊る。
そよぎ、そよぐ。感じるのはただ、光を編み込む波のうねり。
透明なうねりに身をゆだね、踊ろう。
わたしも揺られて、花になる。
***
大気の海。