自作小説倶楽部1月投稿
- カテゴリ: 小説/詩
- 2024/01/31 20:46:24
『演歌の花道』
「いつか咲かせてみせます。大輪の、」「アヤメさ~ん。もう寝たほうはいいですよ。ほら、薬飲んで、あ! チューハイなんか飲んじゃ駄目じゃないですか」「この胸の悲しみに耐えかねて、呑まずにはいられない。ままならぬ世を嘆き、ひとり寂しく」「いやいやいや。少しでいいので頭を通常モードに切り替え...
『演歌の花道』
「いつか咲かせてみせます。大輪の、」「アヤメさ~ん。もう寝たほうはいいですよ。ほら、薬飲んで、あ! チューハイなんか飲んじゃ駄目じゃないですか」「この胸の悲しみに耐えかねて、呑まずにはいられない。ままならぬ世を嘆き、ひとり寂しく」「いやいやいや。少しでいいので頭を通常モードに切り替え...
『医師と極悪人』
「子供の頃は私は貴男を尊敬すらしていました」男は老人に向って話し始める。ここへ来るまで沸き上がった様々な思いを吐き出さずにはいられなかった。薄暗い室内にかすかな腐臭が混じる。壊れた窓から入りこむスラムの臭いだ。男が忌み嫌った。しかし懐かしい臭いだ。「私を覚えていますか? この病院か...
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