自作小説倶楽部12月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/12/31 20:04:23
『ある手紙』
拝啓A.N様 このような手紙を突然差し上げる失礼をお許し下さい。私のことを覚えていてくださいますか?貴男と初めて出会ったのは暖かな春の日でしたね。あのころは私も無垢で無知な少女でした。田舎から出て来たばかりで子供っぽいおさげ髪が恥ずかしく思ったものです。それでも二人で何度も花咲く美しい...
『ある手紙』
拝啓A.N様 このような手紙を突然差し上げる失礼をお許し下さい。私のことを覚えていてくださいますか?貴男と初めて出会ったのは暖かな春の日でしたね。あのころは私も無垢で無知な少女でした。田舎から出て来たばかりで子供っぽいおさげ髪が恥ずかしく思ったものです。それでも二人で何度も花咲く美しい...
著;バルバラ評価 ★5あらすじ19世紀中葉のパリ、悪徳証券仲買人が自殺し、彼の会計簿から百万フラン以上の金が消えていたことが話題になる中、マックスは友人のクレマンに再会する。かつて赤貧の生活を送っていた友人は裕福になり、その幸運な経緯を理路整然と説明する。対して何かにおびえて病床にあるその妻のロ...
『温かな午後』
「畜生」思わず罵りが唇からこぼれ落ちた。かつての相棒から「お前は詰めが甘い。勝ったと思った瞬間、ボロを出して負ける」と言われたことが頭をよぎる。俺より少し年上なだけで随分御託を並べてくれたが、俺より先にしくじって今は僻地の刑務所にいるはずだ。ざまあない。それに、まだ仕事は途中だ。自分...
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