傷つけてあげる。あなたがそうと気づかない方法で。あなたはいつかひとり、夜の道へさまよい出て。なんとなく空を見上げるような時、なにかとても大切なものを失ったような、そんな気になるよう。そして私の、悲しみとともに二人。別々に、泣きましょう。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
傷つけてあげる。あなたがそうと気づかない方法で。あなたはいつかひとり、夜の道へさまよい出て。なんとなく空を見上げるような時、なにかとても大切なものを失ったような、そんな気になるよう。そして私の、悲しみとともに二人。別々に、泣きましょう。
カラカラと枯葉の音につつまれて、あの人と歩いたことが夢のようです。静かな月のない夜に、足もとのまわりだけカラカラと音を立ててたね。あの人は何かを言いそうになったけど、私は聞きたかったけど、結局、二人とも怖がりでしかたなかったんだ。あの人の長いマフラーを、二人寄り添ってまいて歩いたね。胸ポケットから顔...
人の物欲というのは中々なくならないものだ、でも歳とともに趣味も変われば好みも変わる。その欲しいものがだんだんとなくなると、物欲から食欲に変わるというが、確かにそうかもしれない。美味しいものに舌が慣れてしまうと、そんなにまずくない物でも美味しく感じなくなってしまう。今ではコンビニでさえ美味しいスィーツ...
金曜日は銀座で夕食、曇りがちな私の心を癒すためにお出かけ。金に銀を重ねた華やかなディナー、だからこそここはひとつ正装でめかしこんで・・。イーぇ、もっとザックバランに行きましょうとミックくん。最近は私の心を和ましてくれる留学生のミックくん、変な日本語をマジな顔して話すからとても楽しい。そぅ、かれはすっ...
一本のくぎ。このくぎには鍵がつるしてあってさ、鍵でいっぱいのくぎの大箱をあける鍵なんだ。麦畑の鍵。すみっこには青い小舟と、何本かのひなげし。砂にお城の鍵。蒼白いキャビネットの赤い鍵。北極星の沖合に立つ灯台の鍵。黄色い潜水艦の鍵。ポンパドール侯爵夫人の愛のあずまやの鍵。あずまやの庭にある古井戸小屋の鍵...