東京湾に夕日が沈む、
レモンの夕べになりました。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
大きな通りから一本中に入る、ゆるい下り坂になっている細い道。その道の先にいま、沈もうとしている太陽がある。空の色が、いつの間にか変わっていた。太陽の光を受けて、オレンジ色に光っている。思わずその光に見とれて、しばらく夕日を見つめた。太陽が半分ぐらい沈んだ時に、沈んでしまう前に帰ろうと思った。そのほう...
窓の外には、街が広がっている。高い所を走るモノレールの窓からは、いつもの街が遠くまで見える。ところどころに建つマンション、一軒家の街並み。天気のいい日は遠くの山もよく見える。いつもの街、いつものモノレール。グレー色にかすんだ街を飛ぶように進む。窓から差し込む光が、モノレールのくもった窓を優しく包む。...
ニョキニョキと聳え立つビルは、まるで大木のようだ。音もなく、音が響く、音のない森うつむくたびに、そこにある風景。風もなく、風が吹く、風のない森。
木立に囲まれた小道は昼間なのに薄暗い、霧雨に濡れてところどころの電灯が点いてる。野花のともる道を行く、なんとなく月の光を集めたような黄色く光る。道を歩くたびに、囁くように咲いている。この道は歩くたびに、悲しみに包まれる。荷物取りの帰りに、祖母の墓へ。