自作小説倶楽部11月投稿
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/11/30 23:20:43
『微笑の絵』
「灰田氏はどちらですか」
屋敷の玄関を出たところで藍子はふいに現れた刑事にひやりとした。喪服のような黒のスーツなのに顔には絶えず笑みを浮かべている。それでいて目は笑っていない。昨日初めて会った時から不気味な印象を持っている。
「書斎だと思います」
「失礼ですが、どちらにお出かけで...
『微笑の絵』
「灰田氏はどちらですか」
屋敷の玄関を出たところで藍子はふいに現れた刑事にひやりとした。喪服のような黒のスーツなのに顔には絶えず笑みを浮かべている。それでいて目は笑っていない。昨日初めて会った時から不気味な印象を持っている。
「書斎だと思います」
「失礼ですが、どちらにお出かけで...
会社の入ってるビルのスピーカーは以前から廊下や食堂の共同スペースで
ピーピー ピチュピチュ ピチュ・・ という感じの音が聞こえていた。
不具合かと思ったら ある日、小鳥の声を流してるらしいと知った。
癒し効果?? 目をつぶれば小鳥のいる森が。。イメージできません。。
それが今年度から 音楽...
一日仕事して仕事帰り、車のラジオからDJの「びっくり、トランプさんとはね~」という言葉で結果に気が付いた。
前日の報道番組でもマスコミのレポーターが〈ヒラリーさん優位(どうせ当選する)〉という感じて選挙の雰囲気の感想を言っていたので。てっきりてっきりヒラリーさんだと思ってました。
しかしまあ、〈...
『失踪』
「お邪魔しまーす」
呑気な刑事の声に彼は内心舌打ちした。どうして家まで来るんだ。
「スリッパ借りていいですか」
玄関内のスリッパラックを指さして聞く。相手の顔に張り付いたような笑顔が気に障る。
「どうぞ」
彼は無理に笑顔を作りかけてやめた。俺は悲嘆にくれる夫じゃないか。...
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