秋の夜空に爪のような月が出ている。
白い壁は黄色いスポットライトに照らされている、
緞帳は閉じたままだ。
こじんまりとした小劇場、
今宵の演目は何かとプログラムに目をやる。
中綴じの薄っぺらなプログラムを、
読むでもなくめくりながら開演時刻を待っ。
劇場の椅子に腰かけて幕の上がる前の、
快い緊張と腰...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
秋の夜空に爪のような月が出ている。
白い壁は黄色いスポットライトに照らされている、
緞帳は閉じたままだ。
こじんまりとした小劇場、
今宵の演目は何かとプログラムに目をやる。
中綴じの薄っぺらなプログラムを、
読むでもなくめくりながら開演時刻を待っ。
劇場の椅子に腰かけて幕の上がる前の、
快い緊張と腰...
雨も強くなった頃、彼はやってきた。
「いいものが手に入ってね」酒である。
こんな台風がきてる日なのに「だからだょ」、
仕事がそのせいで早く終わったらしいし、
「明日も休みなんだょ」私もだ。
「つまみはドーナツでいい」相変わらず変わった奴である。
食べ終わったドーナツの袋に何やら書いている、
「気にな...
折り重なった現実
くねくねまがった上り坂
斜めに見上げた曇り空
かすかに聞こえる優しい声
微笑みをかけてくれる優しいまなざし
いつでも暖かい優しい手
いつだって 一緒だょ
きらきら光る海から、
砂浜の売店を斜めに行くと公園がある。
石畳の広場から、
右に曲がってまっすぐに行くと時計台がある。
その隣に小学校があって、
左に曲がると美味しいパン屋さんがある。
私はここの、
サンドイッチが好きだ。