夜空には満月。
惑星のひずみを感じる夜には夜間劇場が開く、
夜会服をまとって劇場にくりだす。
そんな古い流行歌が露台づたいに聞こえてくる。
私は街の人たちにまじり、
笛吹きのあとを追うように歩いてゆく。
彼らが手にしている物はヴァニラとチョコシロップのソーダ水、
やがてウサギ劇場へたどりついた。
庭...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
夜空には満月。
惑星のひずみを感じる夜には夜間劇場が開く、
夜会服をまとって劇場にくりだす。
そんな古い流行歌が露台づたいに聞こえてくる。
私は街の人たちにまじり、
笛吹きのあとを追うように歩いてゆく。
彼らが手にしている物はヴァニラとチョコシロップのソーダ水、
やがてウサギ劇場へたどりついた。
庭...
サイドミラーに映る、摩天楼の街。
見慣れた街も、毎日表情を変える。
アクセルを踏めば、自然に口ずさむラブソング。
罪な街と女を愛してる。
見様見真似のポーカーフェイスじゃ、ブラフって事が見抜かれてる。
切り札はあるのかい、手元に残ったジョーカーが一枚。
ラブゲームは連敗中。
カーラジオから流れる、ロ...
私はよく後ろを向いて歌います、
聞かせる相手がいないので自分の耳によく聴こえるようにと。
いつか私の歌を聞いて、
一緒に歌う恋人が現われるかもしれないから。
だから今はひとりで歌う、
その時までは。
まだチェロを弾き始めた頃。
いつまでたっても上手くならないので、
やめようと思っていたら手紙がきた。
それも、宇宙のむこうのどこかの星の女の子から。
その女の子は、目が見えないそうだ。
「真っ暗な真っ暗な中に、
いっも色々な音が色になって見えてます。
あなたのチェロは特別美しい色で、
私の星まで聞...