夕暮れの浜辺の彩色はとてつもなく現実から遠い。
ピンクの空に紫色の海、
流れ着いたガラス瓶のエッジはオレンジ色。
群青色の砂、
ときどき白い石ころに影と一体となった鳥。
草木は早々と帰ってしまい、
残された防波堤のコンクリート。
チョコレートが大きくなったみたいなゴミたち。
囁き合いが、押し寄せる静...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
夕暮れの浜辺の彩色はとてつもなく現実から遠い。
ピンクの空に紫色の海、
流れ着いたガラス瓶のエッジはオレンジ色。
群青色の砂、
ときどき白い石ころに影と一体となった鳥。
草木は早々と帰ってしまい、
残された防波堤のコンクリート。
チョコレートが大きくなったみたいなゴミたち。
囁き合いが、押し寄せる静...
猫は何度も生まれ変わった。
蜘蛛になった時や貝になった時は退屈だったから、
自分が猫だった頃を懐かしく思いだしていた。
しかし人間の子供になった時は周囲のものがとても面白く、
いつしか猫であることを忘れてしまった。
子供の両親はとても優しく、
新しいおもちゃがいつもベッドの近くにあった。
絵本は毎日...
買い物袋を胸に抱いて家に向かう、
袋の中には今晩の鍋の具材が入っている。
野菜・魚・肉・その他色々だ、
量はさすがにひとりだけにほどほどだ。
おっと、大根を忘れたので戻ることにする。
この時期の大根はスジがなくなり、
あまみとみずみずしさが増す。
今夜はワインにするため、
ショップの店員さんに流行の...