現実と非現実 その1
- カテゴリ: 日記
- 2012/04/26 00:35:31
私はこれまで現実に足をつけていなかったのだと今さら気づく。辛い体験すらどこかよそ事だったのはそのせいもあったのだ。夜中の三時に鴉が啼くのを聞く、花瓶の猫柳が根を生やす。私にとって例えばそうしたことは現実なのだ。書物、絵画等とともに。或いは書物を通して貴方と響くことだけが。
日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。
私はこれまで現実に足をつけていなかったのだと今さら気づく。辛い体験すらどこかよそ事だったのはそのせいもあったのだ。夜中の三時に鴉が啼くのを聞く、花瓶の猫柳が根を生やす。私にとって例えばそうしたことは現実なのだ。書物、絵画等とともに。或いは書物を通して貴方と響くことだけが。
明け方の夢。恋愛をしていた。肩を抱かれながら階段を上っている。私は以前彼と夢の中で会っていた。夢の中で再会したのだ。
「夢に出会いさえすれば行ける(…)あのなかの何ひとつ現実には起きはしなかったし、あのなかの何ひとつ今後も起きなくても」
(ポール・オースター『ティンブクトゥ』) ...
春分もとうに過ぎ、だいぶ日が伸びてきた。
これから夏至まで、どんどん昼が長くなる。
夕焼けを見ると、いつもびっくりしてしまう。
家の近くには川が流れている。
川に映ったそれは格別だ。
空にあるそれだけでもうつくしいのに、
川にあることで、倍になるどころか、
流れによって、さらに色を変えるから。
...
夢を見た。昔一緒に暮らしたSと再会し、肩を並べて歩く、ときめいた。また会う
ことを約束して去る。起きて 彼は数年前に亡くなっていたことを思い出す。亡父
も夢の中によく出てくる。病み上がりで不健康なのだが私と父は一緒に暮らして
いる。Sも父のように夢でだ け会える人になってしまったのだ。
ポール・オースターについての自分の過去のつぶやきから。
ポール・オースター『オラクル・ナイト』読了。物語内物語たちの緻密な連なり。小説が小説の中に入れ子細工になっているばかりではない。それらがすべて神託的に関係しあっている。「言葉は現実なんだ」。それは救いであり絶望だ。
ポール・オースター『幻影...
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