自作小説 奇跡の降る夜6
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/01/16 17:01:21
「すみません、そこの商品を取りたいのですが」
「え?あ、すみません・・・えぇっ???」
翔は反射的にからだをよけて、他の客が棚から商品をとるのを眺めて一秒後、棚にずらりと並んだ商品がここが「ペットショップ」だと主張していた。
いつものペットショップだ。
牛丼屋がすでに異次元だったのか・・・どうも私...
しばらく、おうむたんが 毒舌はく日記になります(^^;。飼い主に責任はとれませぬこと、ご了承ください
「すみません、そこの商品を取りたいのですが」
「え?あ、すみません・・・えぇっ???」
翔は反射的にからだをよけて、他の客が棚から商品をとるのを眺めて一秒後、棚にずらりと並んだ商品がここが「ペットショップ」だと主張していた。
いつものペットショップだ。
牛丼屋がすでに異次元だったのか・・・どうも私...
「伝えたいことがあるんだ」 その声音は、以前涼子と翔が異空間で会話した「りょうちゃん」でもあり、「f-羽太郎」でもあった。 聞き手第で聞こえ方が違うのだと声の波動は二人に伝えてるようだった。 「い、異空間の出来事ですから…」 翔は自分に言い聞かせるようにつぶやいたが、涼子にガシっとしが...
「ここ昔ペットショップでしたよね?」
歪んだ空間にも慣れて、涼子は翔にたずねた。
「む、昔?少なくとも10日前まで、ここはペットショップでしたよ??」
「え、でも…牛丼屋さんの店員さんは「以前」って。何人も尋ねられたって…」
しばし無言。ありえない体験済みの二人は、その...
翔は首をかしげながら、この牛丼屋に入ってきた。彼女は飼っている老オカメいんこの「きなこ」と、これまたすっかり年をとったセキセイの「チビ」のための餌を買いに、いつもの店に来たはずだったのだ。チビは翔にとって二代目のセキセイだ。高校受験を控えつつ羽太郎の看護を続けた翔は、羽太郎が逝ったあとペットロスに近...
ふと見ると、同じく一人で牛丼を食べてる女の客がいた。
偶然とはいえ、店内の客が女が二人の牛丼屋とは、
(あり得ない・・・)
彼女が心の中で言うのと同時にもう一人の客も同じ言葉をつぶやいたのがわかった。思わず女性を見ると向こうも驚いて顔を上げ、二人の視線が合った。
同時に立ち上がる。
軽いたちくらみの...