フェイトブレイカー! 第一章9
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/10 11:32:04
-王女の部屋への侵入は当分の間は不問とする-
リヒト国王の判決に、何と寛大だと言う声もあれば、
吸血鬼の血を引く怪物をここに留まらせて良いものかと言う声を囁きあいながら、
謁見の間にいた貴族達は退室しつつある。
「では父上。私達はこれにて」
タプファー、シュタルク両王子もそれぞれ一礼して退室した。...
ニコッとタウンにあるキラキラを何処で手に入れたかの(ほぼ毎日)報告。あと、ニコッと関連の話をいくつか。
-王女の部屋への侵入は当分の間は不問とする-
リヒト国王の判決に、何と寛大だと言う声もあれば、
吸血鬼の血を引く怪物をここに留まらせて良いものかと言う声を囁きあいながら、
謁見の間にいた貴族達は退室しつつある。
「では父上。私達はこれにて」
タプファー、シュタルク両王子もそれぞれ一礼して退室した。...
両開きの大きな扉の向こうは、巨大な広間だった。
天井は硝子張りで太陽の光が降り注ぎ、
大理石で出来た両側の壁には、名工の手によって作られたタペストリーが飾られて、
そして真正面-奥側の壁には、
白地に書物の前に交差した剣と杖の紋章-イルミナの国旗が下げられている。
広間は、赤絨毯の両脇に、甲冑を纏い...
『賢者の国』イルミナ。
その王城に向かって何人かの衛兵達が、一人の男を取り囲んで進んでいる。
中心にいるのはもちろんアロウ。
衛兵達は着かず離れずの距離を取りつつ、それでもいざという時のために、
アロウの周りを取り囲みながら、わざわざ街中の目立つ大通りを進んでいく。
「…噂ってのはアッ...
そこはローザの寝室だった。
アロウの館の地下室と同様-否、それ以上に大きい広間で、
普通の家屋が丸々入りそうな程だ。
調度品も豪華で、天蓋つきの寝台を始め、
本棚や机といった物から、化粧台や茶卓一式といった物まで。
そして壁には何人かの男性の絵が飾られている。
もはや寝室というよりは彼女の部屋と言っ...
『賢者の国』であり、首都でもあるイルミナ。
その夜空を、アロウは優雅に飛んでいる。
「改めて見ると華やかな町だな」
ある程度の高度を保った後、アロウは静止して町を文字通り上から見下ろした。
まず目に留まったのは、この町は大河を跨いで構成されている事だ。
「…」
そして上から見て河の西側...
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