■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳(34)
- カテゴリ: その他
- 2011/06/25 00:01:47
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(4)
されば今ま殘りの三點について批評を試みんに、第一、社會の堕落といふも、現當の社會が到底眞理の力で救ふことの出來ざる程に堕落したものであるなら、過去の如何なる時代に於いてかの社會は救はれ得べきもの、隨つて樂觀せられるべき者であつたらうか。若しさやう...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(4)
されば今ま殘りの三點について批評を試みんに、第一、社會の堕落といふも、現當の社會が到底眞理の力で救ふことの出來ざる程に堕落したものであるなら、過去の如何なる時代に於いてかの社會は救はれ得べきもの、隨つて樂觀せられるべき者であつたらうか。若しさやう...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(3)
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第一、社會が餘りに深く堕落して、之れを引き上ぐるに由なきの致すところか。第二、眞理の支持者そのものが同じく不義罪惡の渦中に立つて之れを救わんとするがためか。第三、眞理といひ美といふものは唯々一時に映ずる光にして一たび地に觸...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(2)
厭世悲觀の人に單純なる受動的瞑想的と進んで之を如何にかせんとするの發動的道徳的との二あつて、イブセンは寧ろ後者に屬するとした所が、注目に値する點である。而して斯の如く現社會の制度と矛盾する邊に眞理を觀て其の衝突を描き、延いて眞理そのものゝ破滅を描...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (五)(1)
(五)
イブセンが第一の知己にしてイブセンの發見者ともいふべきブランデズ氏がイブセン論の重なるものは、千八百六十八年に書いた「第一印象」千八百八十二年に書いた「第二印象」、千八百九十八年に書いた「第三印象」である。されば典據的イブセ...
■近代文藝之研究|研究|イブセン小傳 (四)(5)
イブセンの著作はウヰリアム[#「ヰ」は小文字]、アーチャー(W.Archer)氏、ゴッス氏、ハーフォード(Herford)氏等によつて專ら英譯せられてゐる。之れが劇場に上つたことについては、更に書くべきことも多いが、茲には略す。予の見たるは獨乙に...