■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見え…(9)
- カテゴリ: その他
- 2011/04/14 00:08:28
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 中(1)
中
西鶴が作中の思想については、十年前に草した西鶴論の中に、
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西鶴が作の原來小説にあらずして短き記事文なる由は既に申上候、隨ひて作者の理想を加へて結構せるもの尠く、多くは俗にいはゆる寫實に候。されど一...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 中(1)
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西鶴が作中の思想については、十年前に草した西鶴論の中に、
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西鶴が作の原來小説にあらずして短き記事文なる由は既に申上候、隨ひて作者の理想を加へて結構せるもの尠く、多くは俗にいはゆる寫實に候。されど一...
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 上(8)
第一種はすなはち吾等が假りに名づけて古風といつたものである。古風といへばとてそれが必ずして今日に行はれぬものといふのではないが、第二種第三種の比較的近代の傾向なるに對して、しばらく斯う名づけたのである。近代の歐洲文學は、其の思想知識の頗る...
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 上(7)
作そのものゝ結果について見ても、潜在的と顯在的との二樣の思想がある。『五人女』二の卷、おせん長左衞門の結尾に「あしき事はのがれず。あな恐ろしの世や」などいへる類は、馬琴等の勸懲家が口吻にも似て、理趣の最も顯著なものであらう。けれども西鶴本...
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 上(6)
要するところ、吾等が一作品に對するや、先づ感興の意識によつて其の文藝たるか然らざるかを定むる。而して後ち事前事後の意識によつて其の高級文藝たるか低級文藝たるかを判斷する。一は有か無かといふ絶對判定で、他は有中の大小如何といふ相對判定である...
■近代文藝之研究|研究|「五人女」に見えたる思想 上(5)
先づ感興享樂の前に於いて我が知識思想に種々なる愬へをなすものがある。其の模樣によつてそこに雜多の情が震動を起こす、此の情の震動が感興の本體である。また更に感興享樂の刹那の終り毎に直ちに、之れに接して情裡の事どもを回顧してさま/&Prime...