私達は麒麟の間に入った。
この宿屋、外観は土蔵造りの建物で一昔前の日本家屋だったが。
部屋の中はやはり想像以上のものだった。
足が沈みそうなくらいの幾何学模様の分厚い絨毯が敷いて有り、
濃紺のシルクベルベットに銀系の刺繍を入れた豪華な室内履きが並べてあった。
目の前には簸の深いシルクベルベットの豪奢...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
私達は麒麟の間に入った。
この宿屋、外観は土蔵造りの建物で一昔前の日本家屋だったが。
部屋の中はやはり想像以上のものだった。
足が沈みそうなくらいの幾何学模様の分厚い絨毯が敷いて有り、
濃紺のシルクベルベットに銀系の刺繍を入れた豪華な室内履きが並べてあった。
目の前には簸の深いシルクベルベットの豪奢...
今日は最低最悪の日となった、
ロンドンに行っている彼女から手紙が届いた。
無しのつぶてで一年間何んの連絡もなく、
こちらから電話をかければ話し中、着信拒否だ。
だいたい想像はつくのだけれど、そんな彼女からの手紙。
けど一応読んで見た、
案の定、別れ話だ・・てゃ、それを飛ばしてサヨナラか~。
何んとも...
いなくなると、人の良さってわかります。
あなたがいなくなって、本当にそう思っています。
あんなに憎たらしい、また、腹の立つ人だったのに。
いなくなって思う事。
大きくは、わたしはあなたに染まっていたという事でした。
もちろん、わたしのペースというものもあったし、
そこに具体的にストレスを感じたりした...
10年ぶりに彼と会った。
とにかく色んな事があった人だったので、
自分の中で恨んでたはずなのに。
にいざ目の前に現れたあなたを見て、
10年経ってしまったんだな~と思えた瞬間なんだか笑えた。
お茶でもしようと誘ってくれた、
わたし達は近くのカフェに行く事になった。
それは遠い昔の気持ちにさせてくれる...
車の中でわたしは携帯を閉じ、無造作に助手席に放り投げた。
本当は叩きつけて地団駄を踏みたい気分だったけど、
わたしは大人なのでそんな事はしない。
本当はこのままアクセルを踏み続けて海の中に車ごと飛び込みたい気分だったけど、
わたしは大人なのでそんな事はしない。
裸になって冬の海をバタフライで泳ぎたい...