■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を…(5)
- カテゴリ: その他
- 2010/10/07 00:49:52
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第二(3)
第一圖『マーキュリー』の作者トルワ゛ルゼンは、デンマーク第一の彫刻家でまた歐洲近代の彫刻界に一期を劃する人である。彼れと國を同じうする評論家今のブランデズ氏が、壯時はじめて巴里に出た際に家郷へ書き送つたといふ文に「先づ感ずるは、フランス...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第二(3)
第一圖『マーキュリー』の作者トルワ゛ルゼンは、デンマーク第一の彫刻家でまた歐洲近代の彫刻界に一期を劃する人である。彼れと國を同じうする評論家今のブランデズ氏が、壯時はじめて巴里に出た際に家郷へ書き送つたといふ文に「先づ感ずるは、フランス...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第二(2)
而してフランス近代の繪畫論は、やがて歐洲近代の繪畫論に指示を與へるものである。斯かる形勢を實物の上に展覧するを得るの便宜は、リュクザンプールを措いて他に多く求められまいではないか。こんな意味でリュクザンプール美術館はルーヴルよりも違つた...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第二(1)
第二
リュクザンプールの美術館は御承知の通りルーヴルに對し專ら現代の繪畫彫刻を藏する處である。建物はさして大きくもないが、現代美術の趣向を知らんと志すものに取つては、或る意味でルーヴルよりも此の方が貴い。夫の本國イギリスに...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第一(2)
パリーの學校町の近くから、彼の有名なパンテオンの前へ出ると、廣いスフロー街の行どまりに肅然として高く立つてゐる此の堂の樣子が僕には當時何となく心にかゝつた。其のクラシカルな、百年の風雨に黒んだ、さも/\靜な大伽藍の中には、斷えず冷たい他...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第一(1)
歐洲近代の彫刻を論ずる書
第一
此たよりで僕は先四葉の寫眞(卷末參照)を君に贈る。第一は十九世紀の初めに出たデンマークの大彫刻家トルワ゛ルゼン(Bertel Thorvaldsen)が大作の一つたる『マーキュリー...