■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(10)
- カテゴリ: その他
- 2010/10/17 18:55:19
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第三(4)
頭には翼を有する所謂ペガサスの帽子を頂いて飛行力を示し、垂れた右の手には劍を提げ、胸に横へた左の手には樂器(?)を持つてゐるが、是等はすべて其の體躯の滑かにすらりとした態度殊には其の脚部のいかにも勁捷といふが如き味を有するのと相合して、...
島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第三(4)
頭には翼を有する所謂ペガサスの帽子を頂いて飛行力を示し、垂れた右の手には劍を提げ、胸に横へた左の手には樂器(?)を持つてゐるが、是等はすべて其の體躯の滑かにすらりとした態度殊には其の脚部のいかにも勁捷といふが如き味を有するのと相合して、...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第三(3)
トルワ゛ルゼンが早時同じくギリシア神話の勇士『ゼーソン』を刻むや、カノーワ゛は驚嘆して「此のデンマークの若者が作には新らしい非凡な手法が籠つてゐる」といつた。「新らしい非凡な手法」とは即ちトルワ゛ルゼンが擬古の手法に外ならなかつたのであ...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第三(2)
マーキュリーはギリシアの神話では最も慧敏な神である。智慧逞ましく、且つ敏捷無類で、飛行出沒自在、使者、説客、周旋、偵察を專務とし、傍ら商機に通じて商業の守護神ともなり、竊盗の術に長じて掏兒、盗賊の神ともなつてゐる。能辯で且つ樂器の發明等...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第三(1)
第三
トルワ゛ルゼンは千八百四十四年七十五歳で故郷コーペンハーゲンに頓死した。彼れは前後二回にわたつて十餘年間ローマに留まつてゐた。其の名作數あるが中に、始めて名聲を搏しかけた初期の作は多く古ギリシアの神話などに材を取つた...
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第二(4)
世はナポレオンの天下となると共に、フランスの文藝は、さながらそのあらゆるものを總括して、將に終らんとする一世紀の總勘定をする必要でもあるかの如く、文學はいふに及ばず繪畫をも彼れダヰ゛ーを代表として同じクラシシズムの趣味に還らしめた。
さ...