「…………ポチ、と」
ポチ!?最強クラスの幻獣の名前が、「ポチ」!?
「ふうん。可愛い名前だねぇ」
「あ、でも、セシリアは、自分の好きな名前で呼んでもらって構わない。ちゃんと覚えるから」
セシリアがいまにも「ポチ」と呼びそうなので、慌ててそう付け加える。
…それにしても、「ちび...
ぶろぐ、の、ようなもの。
「…………ポチ、と」
ポチ!?最強クラスの幻獣の名前が、「ポチ」!?
「ふうん。可愛い名前だねぇ」
「あ、でも、セシリアは、自分の好きな名前で呼んでもらって構わない。ちゃんと覚えるから」
セシリアがいまにも「ポチ」と呼びそうなので、慌ててそう付け加える。
…それにしても、「ちび...
治療院へ行くと、ちょうど夕食を配るところだ、というので、ついでに配膳の手伝いをする羽目になった。とはいえ、今入院しているのは三人だけなので、一人分ずつ手分けしただけだが。
夕食を持ってセシリアの部屋に入ると、ちょうど目を覚ましたところのようだった。
「具合はどうだ?」と声をかけると、ゆっく...
セシリアの熱は下がったものの、まだ動かせる状態ではないので、もう二・三日療養所に入院する事になった。ということをクリスが知ると、
「ぜひともお見舞いの品を届けたい」
と、それはそれは熱心に言うので、夕食前の自由時間に療養所へ向かうことになった。
「待たせてすまない」
そう呼ぶ声に振...
学長の言葉で、矛先が逸れる。
「私は「姫」なんかではない。名簿にもちゃんと記されているだろうが。クリスティーナ・アウレリスと。断じてゲオルギア家の者ではない」
その偉そうな口調で「姫」じゃないって言い張るのは、無理があるんじゃないかと思うが。第一、
「その「金瞳」が、王家に連なる者であ...
「アレク、ちょっと来なさい」
邪魔者を追い出した後、大過なく講義を終え、履修手続き用紙を回収した学長先生が、退出間際に「声」を飛ばしてきた。わずかだが「声」が苛立ちの色を帯びているので、何かお叱りを受ける事になるのだろうが、心当たりがない。幸か不幸か、次の時間は隔週講義で、今週は空きだ。
...