ユリ01「旅」
(20)
寂しそうと言うよりは、何だか皮肉じみた顔で桜は微笑んだ。
「あの…桜さん?」
黙りこくったままの桜を見て、私は思わず声をかけた。
桜は振り向くと、口をあけた。
「あっははは、なんっかシリアスな雰囲気になってんの!!どうしちゃった訳?」
演技がうまいんだ...
どうでもいいことを書いています
ユリ01「旅」
(20)
寂しそうと言うよりは、何だか皮肉じみた顔で桜は微笑んだ。
「あの…桜さん?」
黙りこくったままの桜を見て、私は思わず声をかけた。
桜は振り向くと、口をあけた。
「あっははは、なんっかシリアスな雰囲気になってんの!!どうしちゃった訳?」
演技がうまいんだ...
ユリ01「旅」
(19)
「えぇと、あの、黒ずくめって、黒さんって言うんですか?」
なんて呼べばいいのか良く分からなくて、とりあえず、さん付けにした。
そういうと、桜はうなずきながらこう言った。
「あぁ、黒ちゃんのこと?うーん…。そうじゃなくてさ」
少し間をおいてから、桜は言った...
ユリ01「旅」
(18)
「あの、桜さん」
「ん、何?」
夕飯のお手伝いをしているときだった。
こちらに背を向けた形で、野菜の調理をしている桜。
石を積み上げただけのかまどに、鍋をかけてある。
「えぇと……。皆さんは兄妹なんですか?」
私がそういうと、桜はげらげらとおなか...
トントントン、すいません、
誰かいませんか、寒いんです
私を入れてくれたなら
お礼に何か一仕事
暖炉にくべるまき割ります
熱いお粥も作りましょう
外には雪が降っています
トントントン、すいません
ユリ01「旅」
(17)
「えぇとユリだっけ?昨日クロが言ってた」
「はい」
もしやクロって、黒ずくめのことだろうか。
口には出さなかったが、もしや、っと思った。
あとで桜に聞こう。
「僕は18歳で、名前はタダって言うんだ。まぁ本名じゃないんだけどさ」
偽名なのだろうか。どう...