理想のデート?
- カテゴリ:恋愛
- 2009/12/03 09:47:17
タクシーでたどりついたのは、とうに閉園時間もすぎた都会の植物園。正門から入るのは無理なので、塀を乗り越える。ちょっとしたその冒険は以前にもやったことで、だからこそ記憶にくっきり焼きついているのかもしれない。
もうひとつ、記憶に鮮やかなのは、植物園の中央広場に咲き誇っていた桜の大樹だった。むろん今は冬枯れで、花のかけらもない。
「ここ? なんで? 花のない桜が楽しいか」
「いいからすわるの」
強引に桜の前のベンチに並んですわった。悠介の肩に頬を預けて目を閉じると、まぶたの裏に満開の桜が見える気がする。
「花のいろは、うつりにけりないたずらに」
「我が身世にふる、眺めせしまに? なにが言いたい?」
「女の容色が衰えるのはあっという間だってこと。「桃色吐息」って歌もあるじゃない? きれいと言われる時は短すぎて、ってね。ああ、虚しい」
「ばーか」
小声で笑ってから、悠介は言った。
「いつも言ってなかったか。俺はおまえの容色に恋をしたわけじゃない。つまり、容色が衰えても関係ないってわけだ」
「複雑な気分」
「おまえの中身が好きなんだよ。俺は」
「私は悠介のルックスも好き」
「中身は?」
「大嫌いだけど大好き」
「どこが大嫌いでどこが大好き?」
「意地悪なところは大嫌い」
寒くないか? と悠介は訊くけれど、他人が聞けば辟易しそうなむつごとをかわし合っていればまるで寒くもない。花穂は悠介に堅く寄り添った。
「桃色吐息の歌詞にこんなのがあるのよね」
咲かせて咲かせて桃色吐息、あなたに抱かれてこぼれる花になる、そこを口ずさむと、悠介が妙な目つきになった。
「ここで?」
「バカ言わないの。ただぎゅーっとしてくれればいいのよ。悠介、だ、い、て」
「了解」
あたたかな腕の中で口ずさみ続ける。海のいろに染まるギリシャのワイン、抱かれるたび素肌、夕焼けになる……金色銀色桃色吐息、きれいと言われる時は短すぎて……悠介が耳もとで言った。
「ちょっと黙れ」
「黙らせて。どうやって? なんて訊いたら殴るからね」
バカだね、なのか、可愛いな、なのか、悠介の表情は読みきれないが、後者だと善意に解釈しておくことにした。
甘く熱く触れ合ったくちびる。閉じたまぶたの裏に、今度こそ本当に花が咲いた。
大丈夫だよね、私たちは。じきにまた離れ離れになってしまうけど、きっときっとこのままいられるよね、花穂の無言の問いかけに悠介は答えないけれど、まなうらの花びらたちが賛同してくれている気がした。ピンクの吐息で咲いた、一面花、花、花の桜の精たちが。
もちろん、フィクションです。
そうそう、女心も夫婦の機微も複雑なのですよ。うぷぷ。
だけど、これってやっぱり花穂は複雑ですか?
inekoさん
そうなんですよね。
想像だったらできるけど。。。
がんばってね~~
この「がんばって」はかなり複雑。ん?
読みました。
感想は・・・・・
「へ~~~(そうか、そういうことなのか、ここ赤丸チェックだなw)」
女心は複雑なのですね、小生にはいまだ分かりませぬが><w
藤井リナちゃんって知らなかったので、画像を見ました。
ふむふむ、こういう好みですかー。
なるほどね。
藤井リナちゃんと付き合っていた時の話しで
友達と3時間盛り上がりました。
あいつさぁ、見た目可愛いんだけどキッツイのよ。
あんだけ可愛かったら許せちゃうだろ?
まぁ、だから付き合ったんだけどな。。。
もちろん妄想ですwww
・・・・・・・
獏が食べちゃいました。
ありがとうございます。
私もこんなデート、したことないんですけどね。
妄想です。苦笑。。。
胸がドキドキ・・w
こうゆうのステキ。こんな淡く切ない感じのデート
まったくしていないです私;;
いいー!すごくいい!^^w