これらすべて不確かなもの
- カテゴリ:マンガ
- 2009/11/25 23:35:22
あとり硅子さんの漫画が、なんとなく好きです。
すごく好きでもとても好きでもなくて、なんとなく好きです。
なんとなくだけど、ずっと好きでいるだろうと思います。
あとり硅子さんは、2004年の夏にご病気で亡くなられました。享年34歳だったそう。
「読もうという強い意志をもって読んで下さっているかたも、そうでないかたも こんにちは!!」
これが、あとりさんのコミックスのあとがきの決まり文句でした。
私はどちらかというと後者のつもりだったのだけど、今考えてみると前者だったのかもしれません。
あとがきのないコミックスを手にしたときは、愕然としました。
優しいふんわりとした絵柄と微妙な間と独特のユーモアセンスをもった優しい雰囲気の中・短編で、
癒し系とくくってしまうのには抵抗がある、熱くも冷たくもなく、透明な感触の作品です。
なんていうか、歩きだせるのに何故か立ち止って見つめているような印象があって、
読んでいて、不満というわけではないのだけれど、なんとなく不安定な気分が残ります。
「愛じゃなくても・・・・・なんかよくわかんないもんがあんだろ きっと」
これは、『これらすべて不確かなもの』に収録された表題作の最後ページの主人公のセリフです。
この”なんかよくわかんないもん”が、あとり作品のすべての根底にあるのよね、と思います。
この”なんかよくわかんないもん”が、私をなんだか不安定な気分にさせ、そして、ひきつけるのだと思います。
今週のブログイベントは、ややまともにお題にのりました(笑)
「マンガ」カテゴリで「思い出に残るマンガ」についてブログを書いてみよう!
って、いいセリフですね。
あとり硅子さんのことは存じ上げないのですが、読みたくなりました……。
鷺沢萌さんも 2004年に35才でした。
病気ではなく 自ら 逝ってしまわれた。
作品は いつまでも残るのに