以前書いた物語 いんこな日々-第9章-(後編)
- カテゴリ:日記
- 2009/11/12 00:07:39
9章 秘密の散歩(後編)
そんなわけで 私は 二羽の入ったかごには 頻繁に出入りするようになり そのうち へなちょこセキセイ男ちゅう坊とそれなりに仲良くなっていった。(オカメ女グレ子は 徹底して私から逃げるので話すという状態には 到底ならない)
「それにしても。」
と私は 用をたした(フンをしたってことね)ついでに ちゅう坊に話しかけた。
「あんた 最近 オカメ女にちょっかい出してるよね、どういうこと?愛してるの?」
「まさか!オカメは好みじゃないよ(笑)」
「じゃ なんで ちょっかい出してるの?」
「どうしてって言ってもなぁ… まぁ いっしょに同居してるしさ、グレ子は僕のこと好きみたいだからいいんでないの?ぼく、鏡は好きだけど 求愛し続けても 全然なびいくれないから 飽きるしね。それに グレ子平和主義者らしいし。セキセイ女って 怖いだもん、りょうちゃんやグリ子ちゃんで身にしみたもの。すぐ怒って蹴っ飛ばすんだもん…」
何気に言ってから しまった、口すべらせたとハッと気付いたらしいが 遅いんだよ!ボカッ!私は ちゅう坊に蹴りを入れると プリプリしながらかごを出た。
私の元彼氏も 私との別れ際 二股かけてたみたいだし、このセキセイ男も オカメに対してかなりいいかげんな気持ちで つきあってるらしいし…男ってのは 人間だろうがい
んこだろうが 全く変らないのね!と 私は心底呆れかえった。
私はプリプリ怒っていて 私をじっとりと睨む視線に気づかなかった。その瞳はメラメラ燃えさかっておったというのに。
ある日のこと。
最近、飼い主の外出時間が妙に 長くなってきていた。何度か夜中に泣いていたのも 少なくなってきていて バイトも順調そうだったから バイトが忙しいだけかな?とも思ったが なんだかウキウキしているのが 妙に怪しい。
彼氏でも出来たのかもしれない…これは 女の勘である。
というわけで その日も飼い主は ウキウキしながらお出かけしていった。間違いない、バイトの後にデートだな、と私は思った。
いつも通り かご抜けして ちゅう坊のかごに遊びに行くと用を足して ひとしきりちゅう坊としゃべって部屋を一回りして また自分のかごに戻り 餌を食べいつもの通り 楽しく時間は過ぎていった。
ふと隣のセキセイ女グリ子のかごに目をやった 私はびっくりした。あの大いばりのグリ子がかごの隅にうずくまってブルブル震えているのだ。
「どうしたのっ?」
かごごしにグリ子に問い掛けたが グリ子は顔をあげることさえしない。グリ子は 体調を崩している。とっさに暖めなくちゃ!と思った(またまた しつこいが 人間だった時いんこ飼ってた経験あるので 病気いんこは暖めるってのが 身にしみついている)が どうやって暖めれば
いいのさ?ヒヨコ電球は それぞれのかごにひっかけてあるけど セキセイの身では コンセントを差し込むなんて芸当 できるわけない。
セキセイの身になって悲しいなんて感じたことはなかったけれど いんこになって初めて この身がふがいなく感じた。いんこの自分がうらめしかった。いんこでは無理だ…いんこでは…ん?いんこ?いんこだから…?そうだっ!
私は大急ぎで 自分のかごから出ると グリ子のかごの前に走った。ここに入るのは初めてだ。あせった気持ちを落ち着けるべく 一呼吸した。力んだ拍子に プリッと落し物をした。これで 随分落ち着いたので グリ子のかごの中に入って行った。
「入ってこないでよ!」
異変に気付いたグリ子は 立ちあがろうとしたけれど ヨロリとよろけてぐったり力が抜けて立ちあがれない。
「馬鹿っ!動くんじゃないっ!」
私はそう一喝すると ブルブル震えるグリ子を羽で覆ってしっかり 抱きしめた。
「なん…で?」
「すぐ暖かくなるから!おとなしくして!」
そう コンセント差込むのは無理だけど いんこだから 出きることもあるのだ。体温が40度以上ある健康いんこなら病気いんこを暖めることは可能だ。やがて グリ子の震えがおさまってきた。落ち着いたところで 尋る。
「なんで こんな具合悪くなったの?何か腐ってるもんでも食べたの?」
「腐ったもんなんか 食べてないわよ。昨日の夜から何も食べてないもの…。」
弱々しくグリ子が答えた。
(つづく)
まさかの展開です…グリ子ちゃんの大ピンチ!
どうなる、これから!?
ますます続きが気になります…!!
かごぬけがばれちゃうんじゃないかと
心配です(;O;)
ひよこ飼ってた事があるからしってたんだけど
インコとかも一緒なんだね
でもなんでグリ子ご飯たべなかったんだろう・・・