Nicotto Town ニコッとタウン

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名古屋を見続けて十八年

もうそろそろあしかけ約二十年くらい名古屋に住んでる気がする。その間に、色々なものをみた。狭い心と、狭い了見と、狭い行動範囲の私ですが、それなりに見たものはあった。



毎日小麦粉を焼いて
 たい焼きを焼く仕事をしている人をみると、ちょっとした聖人みてるようになります。来る日も来る日も、朝から晩までたい焼きを焼く。小麦粉を練る。あんをつくる。火をいれる。それを同じように毎日毎日。

今から十五年以上前、もう詳しくは何年前か忘れてしまったけど、十六年か十七年だったかも。自分の家の近所に、たい焼きやができた。一坪くらいの小さい店舗で、たい焼きを売っている、いかにも刑務所に入っていたみたいな感じの気合のキマっている賢そうなおじさんだった。おじさんは二十代前半の客の私になんか優し気であった。たい焼きは美味しかったが、お小遣いが少ないのと、ダイエットがあるので、頻繁に大量に買うことはなかったが、たい焼きを焼いてるおじさんの店に、ちょくちょく行ってはたい焼きを一匹買っていた。おじさんは優しかった。しかし、たい焼き屋がオープンして数年たつと、たい焼き屋のおじさんがなんかオープン当時の待遇じゃなくなってきた。毎日毎日たいやきを焼いて忙しいなか、大量に注文してくれるお客もいるなかで、私みたいにたいやきをたった一個しか買わない客なんて、まぁ、当然ながら貧乏すぎて「いやな客」だったのだろうかと思って、ちょっと冷たいおじさんの待遇に、それも当然だな。私いいお客じゃないしな。って思っていた。でも、近所でたいやきが手軽に食べれるという事でちょいちょい数年ごとに通っていた。通うたびに、おじさんの態度が冷たくなっていた。それでしばらく、「私みたいにお金を使わない客は迷惑かも」と思って、たい焼き屋から足が遠のいた。しばらくたって、もうオープンから十五年以上すぎたある日、その店がまだその場所で店を開いているのをみて、凄いと思った。たい焼き屋で十年以上。すごくないですか。感動して、オープンの日を覚えていた私は、久しぶりにその店でたい焼きを一匹だけ買ってみた。そしたら全然おじさんが優しくなくて「オープン当時のあの優しい接客はなんだったんだろう(笑)」って思いました。一匹だけ買うなんてたいして稼ぎにもならないからでしょうか(笑)焼きたてじゃなくて、作り置きのたい焼きを渡されてしまい、なんだかそういうもんかとオープン当時の焼きたて今できますんで~っていうやる気にみちた経営スタイルが、十五年の間に記憶にしか存在しないものになっていたので、長い時間の経過を感じました。人も変わる。経営スタイルも変わる。たいやきの提供温度もかわる。かわらないのは、自分がたい焼きを一匹しか買えない貧乏人である事だけだった(笑)なんでそこだけかわらないのだ(笑)たい焼き屋で十何年も同じ場所でオープン当時と同じスタイルで店舗拡大もなく、変わらない店をみて、その変遷を感じて、そして、私は気づいた「そういえば私は、こんなに長い時間、名古屋を見つめてきたんだな」という事に。この前言った男装コンカフェでも、「昔はここにこんなもんがあってだな~」って私がいうと「え、知らないです(笑)」って若い人は知らなかったりして(笑)若くないんだ(笑)私は(笑)って思ってしまった。そういう事がしみじみ身に染みると、途端、若作りしたくなりました。最初こんなに長い事生きると思ってなかったので、今の日々がオマケみたいな気がします。

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