バラカン氏とシンパが忌避する1976年の音楽
- カテゴリ:音楽
- 2026/08/08 16:05:59
今年もピーターバラカン氏が半世紀前の洋楽特集をやっていらっしゃる。
リクエストを寄せる清く正しい音楽通諸氏は騒音音楽などご存じない。
1976年発表の我が愛聴曲の流れる可能性は、国際紛争の終結並みに甚だ低い。
ハード・ヘヴィ・ガキ向けで結構。血沸き肉踊り両手がギターを求める。
ヒューマンなヘヴィロックというのは無産階級にお似合いでもある。
南北ベトナムが統一された年、こうした曲が深夜のラジオで聴けたのです。
・アキレス最後の戦い(Presence/Led Zeppelin)
ソリッドなツェッペリンが詰まった個人的最高傑作アルバムの冒頭の一曲。
ヘヴィにグルーヴするハードロックの究極形態。しかも高度に知的な構成。
でも発表当時、これ以上に支持されたアルバムがあった。それは……
・地下室のドブねずみ(Rocks/Aerosmith)
このアルバムのエアロの凄さは空前絶後、キャリアの中でも異端です。
ヘヴィでも常に危うさと疾走感を迸らせ、確信に満ち溢れた狂気をひた走る。
これまた全曲捨て曲無しの驚異的なアルバム、アメリカンハードの金字塔。
・タロット・ウーマン(Blackmore's Rainbow)
パープル脱退後のブラックモアの第二作、コージーパウエル参加盤。
録音はショボイ部分もあるけど楽曲もパフォーマンスも超高水準。
B面の大曲2曲、何十回となく聴きこんだものです。
・ヴァージン・キラー(Virgin Killer/Scorpions)
ブラックモア以上の技術とカリスマで騒がれたウリ・ロート在籍時の傑作。
不安を煽り立てる不穏なギターとインモラル、これぞヘヴィロックのお手本。
ウリは超絶技巧ソロアーティストになって途端につまらなくなった。
・雷神(Destoroyer/Kiss)
色物バンドが本物のエンターテイメントバンドだと世界に知らしめた傑作。
これはジーン・シモンズのボーカル曲、おどろおどろしい楽しさが素晴らしい。
キッスの素晴らしさは米国市場でも知れ渡り、その結果生まれたのが……
・ミラーズ(Helluva Band/Angel)
天使的ルックスの美青年5人を集めたエンジェルの2ndアルバム。
このバンド、演奏も達者だし初期の音楽性は正統派のヘヴィロックでした。
この1曲聴けば判ってもらえそう。後のポップ路線は頂けなかったけど。
・死神(Agents of Fortune/Blue Öyster Cult)
悪魔的バンドに戻り、ブルーオイスターカルトの異色の名曲も1976年。
ジャケットはダサいけど、純粋に佳い曲なんですよ、初聴時は驚いた。
MTVが始まってたら、もっと売れたバンドではなかったのかしら。
・アクション(Give Us A Wink/Sweet)
グラムロック的容姿だが演奏は確か、スマッシュヒットを持つ英国バンド。
音楽性が非常にクレバーで、英国的ユーモアや演劇性も感じさせる。
ボーカルのハイトーンとコーラスワークが魅力で、Queenとも重なる部分多し。
・電撃バップ(Ramones)
1stアルバム冒頭の、彼らの決意表明みたいな名ナンバー。
ラモーンズはパンクと無縁であるというのが私の偏見でございます。
モーターヘッドもヘビメタとは無縁、双方ともただのロケンロー。
・シェイク・ザ・デビル(Private Eyes/Tommy Bolin)
ブラックモアの後任としてパープルに入ったボーリンのソロ第二作にして遺作。
野蛮な音色に絶妙なリズム、感性の赴くままに突っ走るソロと甘い歌声。
天は彼に三つも四つも才能を与えたから若死にしてしまった。合掌。
うむうむ、どれも騒がしく耳障りで、思想もメッセージも説教臭さも皆無。
いえ、本当はね、反戦とか共生とか減税とかいう愚劣で下品なメッセージより、
遥かに大切なことを私に教えてくれたと言いたいのですが、時代が許さないので。
(追記)
あら、ラモーンズとダムドとピストルズが流れてた。パンク元年だからか。
パンクとテクノ/ニューウェーブには当時関心がなかったから忘れてた。
ではラモーンズの代わりにもう一曲、挙げておきますか。
・ハードギター爆撃機(Free for All/Ted Nugent)
熱烈な共和党支持者、偉大な現米国大統領とも面会したテッドニュージェント。
しかし頭悪そうな(誉め言葉)豪快なハードロックをぶちかます好ましき野獣。
米国が愛国戦争映画作るなら、ぜひ音楽は彼のアルバムから入れてね。

























