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初めて食べたとき感動した物は?

すごくいろんなものがある。

パキスタン国境から中国国境までの間の遊牧民の包で食べたマトンの水煮とか、初めて中国の屋台で食べた朝がゆとか、無茶苦茶おいしいフルーツの類とか、モロッコで食べたフランスパンにフライドポテトと肉と野菜をこれでもかとぎゅうぎゅう挟んだサンドイッチとか、マラケシュの32番の屋台のオレンジジュースとか、ウィーンの肉屋の濃厚スープとか、初めてタイで食べた激辛料理とか、パリで食べたバター&シュガーのクレープとか。
何のことを書こうかとこの数日悩んでいたのだが、子供のころ初めて食べて衝撃的だったことを書くことにする。

給食の酢豚。

私は生まれた時から小太りで、思春期までずっとそれが続いていた。
ハイハイを一切しないで突然つかまり立ちをするほど運動が嫌いで、雨が降ると外で遊ばなくて済むのでうれしいと思うほどだった。
そんな私を気遣って、母は料理の砂糖を控えていた。
また、母はすごく歯がいい人だったので、野菜は歯ごたえがいいのが大事だと思っていた。
ニンジンのてんぷらは1×3×5くらいの板状で、噛むとガリッと音がした。

そんな人の作る酢豚がどんなものか。

私にとって酢豚っていうのはしょっぱくてすっぱくて、ニンジンに歯が立たなくて、玉ねぎが(半生なので)辛くて、ピーマンは(半生なので)苦くて、つまりは苦行の食べ物だった。
母は、「こんな肉の塊が食べられるなんてごちそうなのに、なんで好きじゃないんだろうねえ」と不思議がっていたが、私は酢豚が大嫌いだった。
何とか食べずに済まないかといつも思っていた。
お残しは許しまへんでの家だったので、何とか飲み込もうと噛んでも噛んでもニンジンは固く、ピーマンは苦く、玉ねぎは辛く、私の大嫌いなメニューワースト1の地位を固めていた。

給食で出てきた酢豚はあまじょっぱく、柔らかく、天国の食べ物だった。

初めて食べたとき、ここまで感動した食べ物はなかったかもしれない。
給食のメニュー表を見て「酢豚」の文字を見たとき、ものすごい葛藤があったのだ。
当時、給食は絶対に残してはいけない食べ物だったので、この日のご飯をどうやって攻略するか、数日前から悩んでいたのだ。

なのに、敵は敵じゃなかった。


#日記広場:初めて食べたとき感動した物は?




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