嘘の陰影
- カテゴリ:自作小説
- 2026/05/21 14:05:28
最終章
それから11年経った今、私はベランダで煙草を吸いながら夜空を見上げて思いに耽っていた。部屋の中から、…「ゆーご飯出来たー」と声がしていた。…「うん、もう少しだけ待って」と私は返事をした。佑真の元お嫁さんとの一件の後の3年後、彼は私に薔薇をプレゼントしてくれ、…「優美…俺とこれからずっと一緒にいてくれないか…?」そう言ってプロポーズしてくれた。…懐かしいなぁ…煙草の煙が夜空に溶け込む様に無くなり、私は…良い思い出…と星を眺めていた。…「ママぁ、お腹空いたよぉ」と私達の子供の由利がベランダへと佑真と駆け込んで来た。…「なぁに思いに耽ってんの」と笑う彼に…「昔の事思い出してた」と答えた。…「昔の事?」と不思議な顔をしてきょとんとしている彼に…「元奥さんの事とか、佑真のプロポーズとか色々…」…「あー…懐かしいな…って恥ずかしい事まで思い出すなよ…ははは」と由利を抱っこしながら、彼は笑っていた。…「俺、ゆーと結婚してすげー幸せ」…「私もゆまと結婚して幸せだよ」と二人して、由利を真ん中にキスを交わした。…「あーパパとママちゅーしてるぅ」と由利は楽しそうにケラケラと笑っていた。この先も、ずっとずっとこの人と一緒に居たい。そんな風に思わずには居られない時間を過ごしていた。…「それじゃあ、ご飯にしよっか」…「うん」3人揃って部屋へと入って行き、食事の時間となった。…嘘を吐かないこの人を大事にして行こう…そう思いながら、皆で手を合わせ…「頂きます」と笑いの絶えない食事の時間を迎えた私達だった。…いつまでもいつまでもこの幸せが続きます様…そう願って。


























