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湿気対策について⑲

私たち日本人は、やはり夏の蒸し暑さをしのぐことに意識が集中しがちですが、今夏のクールビズのことを知ったカナダ人が大変感心して、「我々はウォームビズを真剣に検討しなければ」と言っていたことが印象に残りました。家のつくりやエアーコンディショニングで快適性を調節するのではなく、着ている衣服によって対応するという発想は、クールビズを知るまで考えもしなかったというのです。私はこうした発想の転換も、やせ我慢ではなく、格好よく、楽しんでやることで、一時の流行で終わらせず長く続けてほしいと思っています。

新技術と生活者の意識という両面がバランスをとっていくことの重要性を、私は卒業研究で指導した教え子から教えられました。

おむつの研究は、乳児だけでなく高齢化社会に向かうにあたっての大きな課題となっています。おむつの研究をしたいという学生に、私は「快適なおむつの開発をテーマにしたら」とアドバイスしました。しばらくして「先生、私は快適なおむつの研究はしたくありません」とその学生が言ってきたときには、真意をすぐに理解できませんでした。

現在の紙おむつは、排泄物の水分を特殊なシートを通して内側にある吸水体に吸い込ませますから、肌はサラッとして不快感を感じないようにできています。水が皮膚に点で接することを、特殊シートが可能にしてるのです。しかし、いくら肌がサラッとしていて不快感がなくても、排泄物がそこにある以上、時間がたてば細菌が発生し、おむつかぶれが起きたりします。だから、どれくらいの間隔でおむつ換えをするのが適当なのかを調べたい、と言うのです。これは介護者の都合ではなく、介護される側を主体においた、ともすると忘れられがちな本来の姿勢です。結局、この学生は自分を実験台にしておむつの中の排泄物がどれくらいたつと細菌を発生させるのか、文字どおり身体を張ってデータを集めました。その結果、2、3時間で細菌発生が見られ、現在おむつ交換を6時間おきにしている施設があることは、介護される人にとっては問題であることもわかりました。

技術革新は、人類に多くの恩恵を与えてきました。しかし、その技術革新が誰のために、何のために、ということが置き去りにされることもあります。ですから技術革新が進めば進むほど、使う側の意識が問題になってきます。よく理解して正しく利用するためには、情報を知ることが大切です。小・中学校、高等学校での家庭科の授業は、現在は食が中心となっていますが、もっと住と衣にも目を向けないと、せっかくの技術革新が生活に生かされないことになります。

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