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「七草粥について⑤」

使われる春の七草一覧
七草粥に使われる「春の七草」には、それぞれ縁起の良い意味や効能が込められています。この七草を覚えるための「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」というフレーズは、リズミカルで覚えやすいですよね。

名前→読み→縁起・由来→主な効能(伝統的に言われるもの)
・セリ
【読み】芹
【縁起・由来】「競り勝つ」
【主な効能(伝統的に言われるもの)】胃を健やかにする、解熱
・ナズナ
【読み】薺
【縁起・由来】「撫でて汚れを除く」(ぺんぺん草)
【主な効能(伝統的に言われるもの)】解熱、利尿作用
・ゴギョウ
【読み】御形
【縁起・由来】「仏の体」(人形=ひとがた)
【主な効能(伝統的に言われるもの)】咳止め、喉の痛み
・ハコベラ
【読み】繁縷
【縁起・由来】「繁栄がはびこる」
【主な効能(伝統的に言われるもの)】歯痛、胃炎
・ホトケノザ
【読み】仏の座
【縁起・由来】「仏様が座る安座」
【主な効能(伝統的に言われるもの)】歯痛、胃を整える
・スズナ
【読み】菘
【縁起・由来】「神を呼ぶ鈴」(現在のカブ)
【主な効能(伝統的に言われるもの)】消化促進、しもやけ
・スズシロ
【読み】蘿蔔
【縁起・由来】「汚れのない純白」(現在の大根)
【主な効能(伝統的に言われるもの)】消化促進、咳止め
これら早春の若菜を食べることは、自然の恵みをいただき、生命力を分けてもらうという、サステナブルな営みでもあったのです。



「七草粥の歴史|古代中国から日本への伝来」
この風習は、いつから始まったのでしょうか。そのルーツは古代中国にあります。

*中国の「人日(じんじつ)の節句」に由来
古代中国では、元旦から日ごとに動物(鶏、犬、猪、羊、牛、馬)を占い、7日目を「人日(人の日)」として、人を占う(または人を大切にする)日としていました。
唐の時代(7〜10世紀)になると、この「人日」に、7種類の若菜を入れた温かい汁物「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」を食べることで、無病息災を願う風習が生まれました。「羹(かん)」は「あつもの」、つまり汁物を意味します。これが、七草粥の原型と考えられています。年の初めに若菜のエネルギーを体に取り込み、健康を願うという考え方は、この頃からあったのです。

「日本への伝来と平安時代の記録」
この中国の風習が、日本に伝わって独自の発展を遂げます。

*『延喜式』(927年)に見る「七種の菜を羹にして食す」記述
日本でも、平安時代の法律や儀式をまとめた『延喜式(えんぎしき)』(927年)に、「人日の節句」に関する記述が見られます。そこには、中国と同じように「七種の菜を羹にして食す」とあり、この時点で宮中行事として取り入れられていたことがわかります。

当時の日本では、年の初めに雪の間から芽吹いた若菜を摘む「若菜摘み」という風習もありました。これが中国伝来の「七種菜羹」と結びつき、平安貴族の間で、無病息災を願う優雅な宮中行事として定着していったのです。この頃はまだ、汁物(羹)であり、お粥ではなかったようです。

「江戸時代に庶民の間へ広がった理由」
貴族の行事だった七草粥が、一般庶民に広まったのは江戸時代のことです。
江戸幕府は、季節の節目を祝う重要な日として「五節句」を公的な行事・祝日として定めました。その筆頭が1月7日の「人日の節句」でした。幕府が五節句を重視したことで、「人日の節句」に七草粥を食べるという習慣が、武家社会から庶民の間へと一気に広まりました。
この頃には、汁物だった「七種菜羹」が、日本で古くから食べられていた「お粥」と結びつき、現在のような「七草粥」のスタイルが定着したと考えられています。こうして七草粥は、正月明けの定番の「年中行事」となったのです。

「七草粥が持つ意味と現代的な解釈」
長い歴史を持つ七草粥ですが、現代の私たちにとって、どのような意味があるのでしょうか。

*新年の健康祈願・五穀豊穣への願い
伝統的な意味である「新年の健康祈願」はもちろん、七草(野菜)と米(穀物)を一緒に炊くことから、「五穀豊穣」への願いも込められています。

*“邪気を払う”と“命をつなぐ”両面の意味
七草粥には、ネガティブなもの(邪気)を払うという意味と同時に、冬の厳しい寒さの中で芽吹く若菜の生命力をいただくことで、「命をつなぐ」というポジティブな意味があります。これは、自然のサイクルに寄り添い、その恵みをいただくという、非常にサステナブルな考え方です。

*季節の節目としての「リセット食」
そして現代。クリスマスから年末年始にかけて、私たちはどうしても食べ過ぎ・飲み過ぎになりがちです。
そんなタイミングでいただく七草粥は、疲れた内臓を休ませ、体を内側から整える「最高のウェルネスフード」と言えます。季節の節目に、食を通じて体調をリセットする。これは、古来の知恵が現代の私たちに教えてくれる、セルフケアのためのありがたい食事です。


「現代の七草粥文化」
伝統的な行事食でありながら、七草粥は現代のライフスタイルに合わせて形を変え受け継がれています。

*スーパーの「七草セット」による手軽な継承
昔のように野山で七草を摘むのは困難ですが、現代ではスーパーマーケットで「七草セット」が手軽に購入できます。 これにより、忙しい家庭でも簡単に伝統を継承できるようになりました。

*レトルトや冷凍食品、和カフェでのアレンジメニュー
さらに手軽なレトルトパックの七草粥や、冷凍食品も登場しています。また、和カフェなどでは、出汁を効かせたり、トッピングを工夫したりした、おしゃれなアレンジ七草粥が提供されることもあります。

*若者層への再注目(エシカル・ローカル志向との関連)
近年、若者層の間でも、丁寧な暮らしや健康志向への関心が高まっています。
七草粥は、単なる古臭い風習としてではなく、

・ローカル: 地元や国内で採れた旬の野菜を食べること
・エシカル: 野菜の根や葉まで余さずいただくこと(フードロス削減)
・ウェルネス: 体に優しい食事で自分をいたわること

といった、現代的な価値観とも親和性が高いのです。こうした視点から、七草粥の文化が再注目されています。


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