「小雪」について⑤
- カテゴリ:日記
- 2025/12/28 22:31:03
「小雪はいつ?」
|意味・七十二候・行事・旬の味覚まで解説【「二十四節気」入門】
山々を染めていた紅葉も見頃を過ぎ、落葉となって足元を彩る季節。踏みしめるたびに、赤や黄の葉がサクサクと音を立て、晩秋の風情を静かに伝えてくれます。日ごとに日没は早まり、夕刻にはあたりがすっかり暗くなる……。そんな光景に、冬の足音が近づいていることを感じる方も多いのではないでしょうか?
日本は、古来より農耕を基盤に暮らしてきた国。その中で自然の営みに寄り添い、季節の移ろいを見つめるために生まれたのが「二十四節気」(にじゅうしせっき)です。一年を春夏秋冬の四季に分け、さらにそれぞれを六つに区分して、きめ細やかに季節を捉える知恵は、現代にも大切な感性を教えてくれます。
今回ご紹介するのは、二十四節気の第20番目、「小雪」(しょうせつ)。小雪の言葉に込められた意味や、その季節ならではの行事や味覚について、紐解いてみました。
「小雪とは?」
2025年の「小雪」は、【11月22日(土)】にあたります。「小雪」という名には、「雪が少しずつ降り始める頃」という、ささやかで奥ゆかしい冬の気配が込められています。
この時期は、冷たい風が吹き、雪がちらつく寒さのなかにも、ふと春のような陽気に包まれる日があります。そんな穏やかな日中を、「小春日和」(こはるびより)と呼びます。もともとは旧暦十月(現在の11月下旬〜12月初旬)のことを「小春」と呼んだことに由来し、冬の入口にあらわれる春めいた気候をあらわす、情趣豊かな言葉です。
なお、「小春日和」はこの時季限定の表現であり、3月など実際の春に使うのは誤用とされていますので、ご注意ください。
「七十二候で感じる小雪の息吹」
小雪の期間は、例年【11月22日ごろ〜12月6日ごろ】。七十二候ではこの時期をさらに三つに分け、自然の細やかな変化を映し出しています。
初候(11月22日〜26日頃)|虹蔵不見(にじかくれてみえず)
太陽の光が弱まり、空に虹がかからなくなる時期。曇りがちの空が冬の深まりを告げます。
次候(11月27日〜12月1日頃)|朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
北風が木の葉を吹き払う頃。冷たい風が木枯らしとなり、落ち葉の舞う景色が広がります。
末候(12月2日〜6日頃)|橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
常緑の橘(たちばな)の実が色づき始める頃。冬を越える希望の果実として尊ばれてきました。
「小雪を感じる和歌|言葉に映る小雪の情景」
風がだいぶ冷たくなり、遠くの山では雪が降っているかも…… と想像する季節となりました。今月はそろそろ色付いてきた紅葉をご紹介します。
経もなく 緯(ぬき)も定めず 娘子(をとめ)らが 織る黄葉(もみちば)に 霜な降りそね
大津皇子(おおつのみこ)『万葉集』1512
《訳》縦糸もなく、横糸も定めず山の神の娘たちが織る紅葉に、霜よどうか降らないで。
《詠み人》大津皇子(おおつのみこ)。天武天皇の息子で、文武両道、人望も厚く歌も上手かったという。歌からも自信とモテ要素を感じるお方ですが、謀反の罪で若くして亡くなります(冤罪の可能性もあるとか……)。
「なんて鮮やかで、美しい歌なんだろう!」というのが、第一印象。散って地面に敷き詰められたモミジが「絨毯みたいでキレイだな」と思ったことは、皆様あるかと思います。それが「山の神の娘たちが織った布」と見立てることで、一気に神聖さや壮大さが増し、単なる「枯葉が落ちている」こと以上の意味とストーリーが付け加えられる。「私もそんな風に落葉を見てみたい!」と思わせてくれる、素敵な感覚の歌だと思うのです。
今で言うなら、素敵な写真か動画を撮ってシェアしてくれたようなものでしょうか。
美しい景色を見て「綺麗だな」とスマホで写真を撮る。皆様も普段、何気なくしていることかと思います。けれどそれが「どう素敵だったか」は、その人それぞれ違うもの。「そんなに変わらないでしょ」と思いがちなことこそ、案外その人独自の視点だったりしませんか? 隣でカメラを構える友達や家族に聞いてみたら、意外な答えが帰ってくるかも。あんまり「映え」ない写真になる気がするのは、そこの視点が自分でハッキリしてないからかもしれません。
「きっとこうだろう」という感覚は、自然すぎて自分では気付かないもの。だからこそすれ違いもおこるし、あなただけの素敵な視点にまわりが気付けないこともあるように思うのです。「自分の感覚」を「自分の言葉」で伝えることは、怖いと感じるかもしれません。でもそこを出すことで、誰かが新しい気付きを得て、世界が広がるきっかけになるかもしれない。「自分なんて」の殻を少し破って、「わたしの思う素敵はこうなんだ」「こんな風に見えるんだ」を、届けてみませんか。「特別」なのは優れているからじゃなく、その人が持っている「世界でひとつだけの世界」なんだということを、それは自分が自分らしくあることだということを、いつも忘れずにいられたらいいですよね。
「小雪に行われる行事|収穫に感謝する古来の祭礼」
小雪のころ、日本各地で収穫への感謝を込めた神事が執り行われます。古くから続く伝統行事には、自然の恵みを尊び、暮らしを支える力への祈りが込められています。現代に受け継がれる風習を通して、季節の節目を味わってみましょう。
「新嘗祭」
11月23日の「勤労感謝の日」は、もともと五穀豊穣を感謝する「新嘗祭」(にいなめさい)が起源です。新嘗祭とは、天皇陛下が神嘉殿(しんかでん)において新しく収穫した穀物を皇祖をはじめ神々に供え、神恩感謝をされた後、天皇陛下自らもお召し上がりになる祭典のことです。宮中恒例祭典の中でも、最も重要なものになります。
全国の神社はこれにならって御神前に新穀を献上し、収穫を感謝します。『古事記』にも記録されるほどその歴史は古く、古代から現在まで続く歴史ある行事です。
下鴨神社の「新嘗祭」では午前9時から本殿の御扉が開かれ、祭儀が行われます。こうして、先人から続く収穫への感謝の形を現在まで継承しているのです。御所が京都にあった頃の京都の人は、新嘗祭の日は一日中家で慎み、宮中での神事が終わるまで寝床に入らなかったと伝えられています。今を生きる私たちも、普段何気なく食べている沢山の食べ物に感謝の気持ちをもって過ごしたいものです。
「酉の市」
酉の市(とりのいち)とは11月の酉の日(とりのひ)のお祭りで、江戸時代から続いているとされています。鶴や亀、大入袋などの縁起物が多数ついた縁起熊手(えんぎくまで)が売られ、開運招福や商売繁盛を願う人々によって購入されます。なお、縁起熊手は毎年買い替えるものですが、より大きな福を招き入れるためにも、去年のものよりも一回り大きなものを買いましょう。また、値切れば値切るほど縁起がいいとされているため、言い値では買わないことが一般的です。とはいえ、あまりにも値切ると商売の邪魔になってしまうため、頃合いを見て商談を成立させましょう。また、酉の日は12日に1回巡ってくるため、年によって回数が異なる点に注意してください。11月最初の酉の日は一の酉、2番目の酉の日は二の酉、3番目の酉の日は三の酉と呼ばれます。三の酉まである年は火事が多いともいわれており、火の用心に努める習慣があります。

























