やっぱり六条の御息所
- カテゴリ:日記
- 2025/11/21 15:35:41
何回知ってもやっぱり私は六畳の御息所の人生に惹かれる。源氏物語での色んな女性はあれど、六条の御息所が一番書きたかった女性なんじゃないかと思うくらい、一番興味深い。悪霊って…。っていう謎とか。ホラー要素があるところにいつも興味があるようです。
ウェイリー版源氏物語
外国人の翻訳した源氏物語もあるそうで。外国版になっても、やっぱり源氏物語の感情のドラマチックさは変わらず面白い。外国版にしても物語は成立していた。人間の愛や恋が、国境をこえて普遍的なのがよくわかるなと思った。でも、外国人に「悪霊」とか魂が抜け出てとか、そうういの言っても理解してもらえるもんかと思ったけど、理解してもらえたんだなという所が驚きです。実態がある車、とか橘の花、とか、現実世界にあるものなら訳に正解がありますが、六条の御息所のあたりのエピソードは、翻訳家泣かせ、あるいは翻訳家の腕のみせどころという圧巻さがあると思う。どっちの国の文化にも精通していなければならず、また識者の深い知識が必要なはずのそういう抽象的な概念、幽霊体の翻訳って一体、どういう風に成立してこれたのか。ちょっと考えただけでも、その知識欲の果てしない追及のような仕事が、楽しそうで仕方ない。いやま、実際やるほうは大変なんだろうけど。
六条の御息所は「神経質」
六畳の御息所という女性は、神経質という設定。この神経質というのも、国によって、いろいろあるんじゃないかと思う。日本の源氏物語では、正妻の地位につけない疵のような描かれ方をしているが、私はいつも源氏物語を読んで、六条の御息所のほうが主人公というか、ヒロインなんじゃ?っていっつも思います。神経質で傷つきやすくて、胸の内に呪いを貯めこむから、悪霊飛ばしちゃう(笑)悪霊というものが、一番必要だった、悪霊を嫌い抜けなかった優しさというか、弱さが、愛しくて仕方ありません。そういう女性らし~女性。そういう奥深い人生の深みを、「悪霊」という形で表現する事をしてしまった六畳の御息所の人生は、ちょっとした源氏という男性を彩るエピソード的な女性というより、いつも「この女性のスピンオフはどこかにないものか」って探してしまうほど、とても興味深い。一番お金持ちである。というのも興味深い。六畳の御息所は、現代の日本の女性像に一番近いような気がしますよ。と私は思うので、ウェイリーさんが六畳の御息所にどんな個人的な感情を抱いたのかも、本当に興味があって仕方ない。


























