1203番:さすらいの青春(3ー2)
- カテゴリ:日記
- 2025/11/18 19:05:14
さすらいの青春(3-2)
始めから見ますと、
Une longue maison rouge, avec cinq
portes vitrées, sous des vignes vierges,
à l'extrémité du bourg ; une cour
immense avec préaux et buanderie, qui
ouvrait en avant sur le village par
un grand portail ;
それは横長の赤い校舎で、5つのガラス窓が
あった。校舎は蔦で覆われており、町はずれ
に建っていた。校庭は雨天体操場と洗濯場も
ある広大な校庭でまた大きな校門によって、
先はずっと村の方向に開かれていた.
となります.
un grand portail
とありますので、大きな校門というより、
「由緒歴史を感じさせるような」
立派な校門と訳す方がいいかもしれません。
一般に grand などの形容詞は、名詞の前に来ると、
「偉大な」という意味になり、名詞の後ろだと、
「大きな」という意味になります.
(絶対ではありません.大雑把な目安です)
un grand homme 偉大な人間
un homme grand 大きな男
sur le côté nort, la route où donnait une petite grille
et qui menait vers La Gare, à trois kilomètres ;
donnait は donner(与える) の半過去形
直訳すれば、「小さな鉄格子(の門)を与える
道路」なのですが、道路があるから門が与えら
れているということで、ここは、
「道路に出るには、鉄格子の小さな門を開い
た.」
となります.全体は
北側は3キロ先の駅に通じる道路があり、
そこに出るには、鉄格子の小さな門を開
いて出た.
今回の本文のあと、
au sud et par derrière, des champs,
と続くのですが、以下はまた次回にしましょう.
今回はここまで。
ほなさいなら.
—————————【結論】————————————
文学作品は、文章が長い.16両編成の「のぞみ」
と同じ.あんまり長いときは、勝手にチョキンと
切ってしまいましょう.
これを「庭師剪定の法則」という…
うそ、そんなこと聞いたことがない.
.—————————【感想】————————————
「さすらいの青春」の出だしは、動詞がない
ので、日本語訳をするのに工夫がいるかも.
なぜ、動詞が省略されているか?
それは、小説は、文章の羅列ではなく、文学
だからでしょう.
芸術作品なのだから、格調を整える必要があ
るからですね.
「~しました。」「~でした」「~です。」と、
いちいちやっていたら、小学生の作文になっ
てしまいますから.
プレバト(テレビ番組)が好きで、よく見て
いるんですが、詩歌の世界の俳句では、物事
を普通に述べたのではいい作品ができないの
だとか.
仏文学の世界も、普通の文章に少し、動詞を
はずしたりとか、主語と動詞を倒置させたり
とか、いろいろスパイスを効かせます.
コーヒーのように、香りとコクを
文に入れるには、引き算をして(動詞省略)
リズムを生む.
ということじゃないでしょうか.
文法と相矛盾する、この文学という世界。
文学作品にも是非慣れていきましょう.
























