デビュー50周年の山崎ハコ
- カテゴリ:音楽
- 2025/10/27 16:30:07
苗字が漢字2文字、名前はカナ2文字という女性歌手にはアングラの香りがある。
浅川マキ、石川セリ、中山ラビ。金子マリ。時代の気配があるでしょ?
ハマに所縁のある山崎ハコさんがデビュー50周年というので、少々語ろう。
病弱/九州/暗い/情念/怨念というのがハコさんのパブリックイメージですよね。
アタシもロクに聴いてなかったので、ステレオタイプなイメージしかなかったが、
80年代末から90年代半ばに前座を幾度かやらせていただき、ガラリと変わった。
元気! 明るい!! ブルース大好き!!! トーク面白い!!!!
初めてのときご挨拶して、その日のライブを全て拝見し、無知を恥じました。
ロック寄りの明るさを発する、小柄でエネルギッシュなシンガーがハコさん。
金子マリさんとかと近い雰囲気もある。とにかく凄くロッカーなの。
だからブルースもパワフル。ガシガシとアコギ鳴らし身をくねらせシャウト。
これで客が盛り上がる。生身の発するヴァイタリティに溢れたシンガーです。
Wikiにある通り、事務所関係で大変な時期だったそうですが、
そういうご自身の状況を、冗談みたいに明るく笑い飛ばして話してた。
シビレましたね。ハコさん絡みの前座やトラは必ずお受けしました。
原田芳雄、渡辺えり、五大路子といった方々が手を差し伸べたのも嬉しい。
最新アルバムは『元気かい』。ドスのきいた相変わらずの男前ヴォイス。
ちょっと残念なのは、パブリックイメージに近い楽曲が多いことかな。
ビクターから出した『メンフィスまで』あたりが私の好みです。
デルタブルースの匂いもある『Blue Earth』なんて懐かしいなー。
アコギを殴るように弾き、ネコみたいに溌剌としたハコさんの姿が浮かぶ。
山崎ハコは暗くない。怨念や情念というのもかなりの偏見です。
音楽をやり続ける、シンガーであることへの矜持と意地を情念とは呼ばない。
日本の誇る、チャーミングな女性ミュージシャンの一人です。ぜひご一聴を。




























