Nicotto Town



誰にも触れられない炭酸

ノンアルの缶を開ける音が、部屋の沈黙を裂いた。
炭酸の泡が舌に触れるたび、
粘膜に残った言葉が、じわじわと腐っていく。
誰にも見られない夜。
誰にも触れられない私。
幸福って、たぶん、
誰にも期待されないこと。
誰にも触れられないまま、
自分の輪郭が溶けていくこと。
ノンアルは、酔えない。
でも、酔えないことが、
今夜の私にはちょうどいい。

#日記広場:日記




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.