無題
- カテゴリ:日記
- 2025/08/22 22:23:28
空気は甘く、重たく、肌にまとわりつく。
まるで誰かの吐息が、ずっと耳元に残っているような、そんな湿度。 風は吹いているのに、逃げ場がない。
それが、心地よくて、少し怖い。
南の島の午後、果実の香りが空気に溶けて、 遠くで誰かが笑っている。
その声は、知らないはずなのに、懐かしい。 胸の奥が、理由もなく高鳴る。
汗ばむ首筋に、光が差す。 それは祝福か、誘惑か。 どちらでもいい。
この場所では、どきどきすることがすべてだから。
世界は、少しだけ歪んで見える。 色が濃く、音が近く、時間が溶けていく。
そして私は、まだここにいる。
この湿度の中で、 誰かの気配を探しながら、 楽園の入り口に立ち尽くしている。
いえますなw