Nicotto Town



傍観者






夜は警告のように訪れる

この世界のどこかで今日も

誰かが処刑されたかもしれない

来る日も来る日もそれを数えながら

彼らは眠っていた

抱きしめようとする真っ暗な夢に

照明弾が打ち上げられ

真昼の明るさに照らされて

一斉に銃声が鳴り響いた

死に物狂いのこの夜が明ければ

誰にでも明日はやってくる

今朝、最初に出会うものは

罠のように笑いながら挨拶をするだろう

夢の中で死ななかった一つの顔

髭をそった戦争のやさしさに抱かれて

僕らは何も知りたがらないように一日が始まり

夕暮れ、薄っすらのびた髭は暗い夢に頬ずりをする

敷きつめられたアスファルトを血が染め

正義が血だるまになって

銃殺されたものたちをも追い払う

小さな革命はガードレールに追い詰められている

世界は記憶喪失の笑いにまみれていればいい

そうなのか

僕たちは立てかけられた銃のように眠っている

眠りながら傍観者を装うしかない

何人も足りない明日の朝を

震えた手で指差しながら







#日記広場:小説/詩




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