Nicotto Town


昼行灯の雑記帳


タイパ文化傾向への懸念

近年タイパがなんにでも求められすぎている気がします。この辺を例とリスクをあげつつ書いていってみます。
身近なところでは宅配で物を買った場合、配達の異常な速さ。ただこれ、運送業の方にすさまじい負荷が行っている。知己に運送関係の方がいますが、休日でも急な呼び出しとかがざら。「ふつうのお買い物」であれば、翌日配送じゃなくてもよくないかな。
SNSがニュースの発信源となるケースも多いですね。情報網の発達により誰でも手軽に発信源となることができます。が、ここに大きな問題が。
それは「その情報が本当に信頼できるものかどうか」。
いわゆる健康インフルエンサーの「健康法」「健康診断に行かなくていい」「血圧を下げる必要はない」など。
それで健康を害しても「勝手に信じたほう」が悪いので、発信者は困りません。
根拠のない健康法を実施し、悪化しきって受診される患者さんに「もっと早く来てくれればここまで進まないで済んだのに」という悲しい思いがあるわけです。
そして高血圧、高脂血症など、健康診断にある項目でH(平均値より高い)やL(平均値より低い)が出た場合、何らかの病気の兆候です。
ことに数値だけで出ている時期は「無症状」「自覚症状がほぼない」んですよね。
わたしも8年前健康診断で卵巣がん疑い(良性でしたが癒着がひどく卵巣子宮全摘に)で入院、手術しましたが5k近い腫瘍ができていても無症状でした。
その後ホルモンバランスの崩れから高血圧を発症し、現在は服薬で落ち着いています。
この手の数値は高いが無症状というのが曲者で、出たときは脳血管疾患、心疾患など命に係わる症状であることがほとんど。
こういった前提を知らないとインフルエンサーの(より耳障りのいいほうに)言葉に騙されてしまうわけです。
そもそもなぜ専門職がいるかというと「知識がないと危険があるから」なわけで。
なのに専門職をその職でもないのに馬鹿にする、という傾向。
これもタイパと無関係ではないんですよね。
きちんと内容を読み、理解し、その「専門家」の言っていることが正しいかの検証をせずに信じてしまう。手軽であったり、リスクを考えたくないなどがあるからです。

わたしはAI3種を壁打ちの相手として使っていますが、どれもハルシネーション(誤情報をまことしやかに語る)が起きるのは確認しています。学習の仕方、データ不足、AIの特性上起きてしまう問題ですね。

情報網の発達により現在「思考力の有無」による情報取得格差が広がっているというのは少し前から言われていますね。
仕事以外でネットを使えない、AIなど新技術に触れない、TVでの情報はネットよりだいぶ遅れているし、マスコミに「味付けされて」提供されるから正確性に乏しいものが多い(ネット上はもっとカオスだけれど)。
「ゆっくり考える」「あいまいさに向き合う」「周縁的な視点を得る」ことからは真逆の方向に進むのがタイパであり、AIを含め「噂」に左右されてリスクヘッジを考えない人が多いなと思うのですよね。
そしてそのためには「日本語がきちんと扱えるか」も大事だと思います。

ニュース、新情報、治療法等いろんな情報を見たとき、可能性はあるけれど検証できているのかな、多面的に調べてみよう。っていうのがわたしの判断。
大事なのは多面的に検討し、リスクと利点を各々洗い出す力。

あとはMMOでちょこちょこ見かけるのですが「自分にはクリアできないから簡単にしろ」のような言動。
多くの人はその内容で遊んでおり、きついなーと思ったら友人に頼むとか、~が苦手なのでお手伝いお願いします、と募集をするんですが、こういう傾向もタイパ文化の悪影響だなと感じます。

本来遊びや趣味って本腰を入れて全力で楽しむものなのじゃないかな。気軽なものもむろんありですが全部それは脳によろしくないです。
趣味や遊びでさえ試行錯誤、思考、調べないのに大半の人が収入を得るためで「本来やりたいわけではないであろう仕事」においてきっちりできるのか。という問題にも通じそうです。

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