Nicotto Town



上を見上げて

絵を観るのが好きです。
今年は日本画しか観に行く機会がありませんでした。

ちょっと観たいなと思う絵画展は
だいたい東京方面なので、関西在住のわたしは
残念に思うところです。

特別ではない画家が
ある日を境に好きななったりします。
作家や音楽もそうかもしれません。

私にとってその一人が
ユトリロ

灰色で埋め尽くされたパリの風景画は
陰鬱で辛気臭く感じたのです。

絵画の入りはだいたい
口当たりよいお菓子のように
優しい色合いの印象派、ルノワールあたりが好みの
平凡なわたしでした。

時間潰しにふらりと入った画廊で壁に掛った絵画を眺め
振り返ると
床に放置されたみたいに置かれた
ユトリロのリトグラフがありました。

ユトリロは17歳でアル中でした。
18歳で私生児として彼を産んだ母は、売れっ子にモデルである
画家となる、奔放で魅惑的な女性シュザンヌ・バラドン。
母を恋い慕うユトリロですが、見向きもされません。
淋しさから酒に溺れ、暴れ、街中の嫌われ者になっていきます。
ついにアル中で入院。治療目的で絵を描き始めのです。

ぐでんぐでんに酔って、飲み屋から叩き出され
嘔吐した物が口の端に残る彼は、立ち上がることもでできず
仰向けに寝転がったまま、なすすべもなく
上を見上げていた。
母の手はなく、街、居酒屋の漆喰の建物があった。
変わらず、逃げず、いつも街だけが彼を抱きしめてくれた。
彼はまだ十四、五の子供だったのに。

少年ユトリロの、行き場のない淋しさが
するすると足もとから登ってきて、胸に沁みました。

ユトリロの絵は灰色でなくてはいけないのです。

晩年、画家として成功し、年上の女性と結婚して安定した時期を
迎えると、絵は明るくなり、とたんに魅力を失っていく、皮肉さ。

あの時
待ち人来らずで、心細かったのか
冬の初め、寒さが感傷的にさせていたのかもしれません。
それ以来
ユトリロの灰色の風景を見つけると
足を留めずにはいられないのです。

アバター
2009/10/02 20:57
ハハ…。
あまりに気しないでね。
アバター
2009/09/30 18:14
伝言で「ございます」なんて使うから、他人行儀と勘違いしました。
皆さんにも同じことを伝言していたのですね。
アバター
2009/09/29 18:53
忙しいのに、長い文章書かせてしまいましたね。
至らない弟でごめんなさい(_ _ )/ハンセイ

「だろ」です。
今までの私の言葉遣いとは異なるかな。と。
タメ口でも、急に近すぎる言葉を使ったような気がします。

ある意味、地が出ているのかもしれません。
間違いなく、応援する時の私の言葉です。
ただ、年齢に関係なく、踏み込みすぎのような気がしてなりません。
お遊びではなく、
本気の言葉だからこそ、距離を侵していないのか?
後で読み直して、気になりました。


そう言えば、以前約束しましたね。
「思ったことを書くこと」
気の回しすぎだったのかもしれません。

他人行儀過ぎる姉さんが怖いです(__;)
今まで通りでお願いします。


自分との戦い頑張ってください。
ちなみに、「自分との戦い」は、誰から見ても他愛のないことです。 ←断定
しかし、自分が自分であるために必要なことです。
勝者になることを祈ってます。

アバター
2009/09/29 13:43
たいさん。

よくわかりません。なぜ謝るのか^^;

タメ口でいえば、う~ん。どこだろうか、と思います。
たいさんは年下ですからね。
年下だから、目線を下にしているわけではありません。
基本的に、ここではすべての人が対等であるはずだし、リアルでもわたしの対人関係の基本です。
フェアで対等であること。
年齢を書いていないのは、広くいろんな人の話を聴きたいと思っているからです。
先入観を持たれないように、大人であることだけは明記しています。
書いてあることは本当ですが、大人である以上、ここに書かていない多くの事柄があるのです。

黒猫手毬はここにしか存在しません。
もちろん、リアルなわたしに繋がっていくものですが
それぞれがアバターからいろんなイメージを持ちます。
それはわたしも同じです。
会うことのない言葉だけのやりとり
距離感の心地よさが、ニコを止められない大きな理由です。

だからこそ、言葉には気をつけているのです。
ここでは深刻な状況に置かれている人もおられ、その言葉の前に、長い時間佇みます。
湿ったマッチのように、一瞬で消えてしまう灯でも
ささやかな言葉を残したくて、試案を重ねてしまいます。
ただ通り過ぎるだけなら、もっと気楽に続けていけるのですが
それじゃ、わたしには意味がないように思えるのです。

タメ口はたいさんもお友だちとして長い方になるので、親しみを込めてのつもりです。
たいさんはわたしの大切なお友だちの一人です。
手の焼ける弟のような存在です。

リアルなわたしは個人的に、人から見たら他愛ないと思えることかもしれませんが
どうしてもクリアしたいことを抱えています。
自分との闘いみたいです。

たいさんをはじめ、たくさんのお友だちの言葉に励まされています。
ありがとうございます。
アバター
2009/09/27 18:16
プレゼントありがとう。

いきなりタメ口になりましたね。
黒猫手毬姉さんがどちらを望むのかわかりませんが、
現状では、私の不用意だと思います。
ごめんなさい。
アバター
2009/09/26 03:17
たいさん。ありがとうね。

じゃ、ユトリロのページはたいさん専用にしましょう。

10月半ばあたりまでは、かなり詰めて、というよりも集中力が必要なのです。
ニコッとの皆さんは、とても魅力的なので、インするとね、思わぬほど時間が過ぎてしまいます。
おまけにわたしが時間の使い方が下手なのでね、自粛せねばなりません。

成功する確率はかなり低いですが、
納得するというか、これからのライフワーク的に取り組んでいけることなのか
見極める作業ともいえるかもしれませんね。
そういう意味では、時間がかかると思います。

でも、1週間に1度くらいはインしたいと思っています。
たいさんも、いろいろ頑張ってね。
わたしもたいさんをずっと応援してますからね。

いつもプレゼントありがとうね。
アバター
2009/09/25 00:45
ここ借ります。(勝手に私専用だと思ってます。)

「しばらく」じゃないだろ凸(ーーメ
成功するまでか・納得するまでだろ。

アバター
2009/02/21 18:23
勝つつもりではありません。懐の広さに、私が小さく見えます。私が細かいことに、こだわりすぎるのかもしれません。

次元の異なるところから言葉が表れるような感じがします。
アバター
2009/02/20 21:49
実は、たいさん。

偶然ですが、数えたら4000人目の来訪者でした~♪

最初に約束したとおり、お友達になりましょう。
知らない間に、ニコッとでは長いお付き合いになりましたね^^

いろんな人と楽しそうに?やりとりされるようになり
ああ、よかったなぁと思っていました。↓
何ででしょうか…??
もしかして、勝つつもり??^^
成長を期待しております。
アバター
2009/02/20 18:27
お忙しいようなので、返事はいりません。

間違いがあったので、訂正です。ミサ「パンジェ・リングァ」はタリス・スコラーズの演奏です。

「ずいぶんと社交的になられたようですね」こういう言葉をもらうと、「女性には勝てないな」と思う。
アバター
2009/02/13 13:22
たいさん

こんにちは。

そうですか。こちらは男性だったので先入観でしたね^^

日本は黄金の国でしたからね。美の壺、NHKの再放送、金箔をちょうど観たところです。
金箔技術の素晴らしさは日本の美術に見事にいかされていますね。

古楽楽器の名前さえすぐに忘れてしまうので、^^;いい加減なものです。
でも、あの温かみのある柔らかい音色は好きですね。

最近のたいさんは、ずいぶんと社交的になられたようですね^^
いろんなことの基礎知識は大事なことだと思います。そこから
興味ある分野が増えてくるかもしれませんからね^^
アバター
2009/02/12 20:22
残念ですが、マグリット好きは女性でした。

ボッシュは、私が唯一研究室で本を開いた画家ですね。目的の絵は「悦楽の園」。楽器が描かれているたので。

懐中電灯は絵画も照らすのですよ。「ここら辺」とか、指さす代わりに。仏像はもともと金色だったもの。金箔がはげ、今のように趣のあるものに。金色でなければ、時の権力者が仏教を保護しなかったかも。

古楽を聴くのであれば、聴いたことがあるかもしれませんね。あまり意識することなく・・・。過剰な期待はがっかりさせてしまうかも。

余計なことを書いたばかりに、心配させてしまいましたね。大丈夫ですよ。あまり心配すると、こっちが罪悪感を覚えます。ちなみに研究ではなく、基礎知識を身につけるだけです。深入りはしません。
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2009/02/11 22:41
たいさん

こんばんは^^

そうでしょうね。マグリットは頭脳を使う男性にとても人気がある画家のようです。
緻密に計算された画風や騙し絵が、興味をそそるのでしょうね。

中世の画家では北ネーデルランドの有名なヒエロニムス・ボッシュも好きです。
ウィーンの美術アカデミー、大学が所有している「最後の審判」を長いこと
観ていたことがあります。これこそ、双眼鏡が必要でした^^;持ってなかったけど…。
あと、清楚な感じの修道女で印象深いブルージュの画家
ハンス・メムリンクの画風も静けさに満ちて好きです。

若桑みどりさんですが、読破したことがないので、お勧めをご紹介できません。
申し訳ありません。手元には「マニエリスム論」これは文庫になっています・
あと、最期の作となった、「象徴としての女性像」があります。
ただ、この二つともまだ最初の章で止まったままです^^;
彼女はジェンダー関係の論客でもあったので、もしかしたら、容赦ない男性批判
が随所に飛び出し、男性陣としては眉をひそめる箇所があるかもしれません。

仏像は、本来、蝋燭の灯りで下から見上げるように創られたものですね。
だから、弱い懐中電灯の光は、それに近かったのではないでしょうか。
美術品としてよりも、信仰の仏としての威厳を携えた顔が見えたのでは
ないでしょうか。

音楽は、全く予備知識がないのです^^;
でも、古楽の柔らかい音が好きですね。今の音楽と違う音というのは
心惹かれますね。しばらく忙しい時期に突入するので、落ち着けば
探してみたいと思います。

それでは、元気を出して、また研究に頑張ってくださいね^^
アバター
2009/02/11 17:08
長い間放置してごめんなさい。研究室にマグリット好きが多く、洗脳された感じがします。

オットー・デックス。本屋や図書館に行きましたが、この田舎には見あたらないですね。インターネットにも絵はなかなか・・・。本の表紙を見ると(それだけで感想を言うことは危険ですが)、自分のいやな部分を見ているようで、しばらく目が離せなくなるような感じがします。

分かっていると思いますが、絵は詳しくありません。私は音楽の文献に当たっていたので・・。逆に絵にこだわりがあまりないから、今更勉強しようと思っています。若桑みどりさんの本は何がお勧めですか?

特別に黒猫手毬さんに教えます。研究室旅行では必需品が二つありました。双眼鏡と懐中電灯。もちろん美術館に行くだけでなく、建築も見るので双眼鏡は分かると思います。懐中電灯は作品を指し示したり、暗くて見えにくい仏像などを照らしました。あまり明るいものはダメですよ。作品を傷めてしまします。一人で美術館に行って、懐中電灯を使う勇気はありません。懐中電灯を取り出し作品を照らす。これは衝撃的でした。

さて、私の専門も少し。中世・ルネサンス頃の音楽ですね。この辺の話題が出たら、ネタに困っている証拠です。あまりブログにしないと思いますが・・・。音楽そのものではなく、世俗音楽と教会の関係みたいなものです。ルネサンス時代の代表的な作曲家はジョスカン・デプレ。ミサ「パンジェ・リングァ」、アヴェ・マリアが代表作かな。ヒリアード・アンサンブルのCDがいいと思います。国内盤はないかもしれませんが、黒猫手毬さんは大丈夫ですね。当時の音楽はポリフォニーと呼ばれ、今の音楽とは違った響きをします。興味があれば、聴いてみたください。
アバター
2009/01/17 22:14
たいさん

こんばんは^^
わたしはマメじゃないので、
ただ、観ていて心惹かれれば、何度も観て
勝手に想像力を膨らませます。
いろんなことを考えさせてくれる絵が好きなんです。

シュールな絵が好きですか^^
知人にもマグリットが大好きな人がいます。

私がすきな画家は
ドイツのオットー・デックスです。
観に行った時、会場には私を含めて二人。
なんだか足早に去るのが申し訳なくて
ゆっくりと観ました。

家に飾りたい絵ではないのです。
時にグロテスクですから。
でも、人というのは、負のエネルギーも
生きる原動力なんだと、問いかけてくる人物画に
見入ってしまいました。

見方が変われば、好きになったり興味がわいたり
きっと、好きである原因はわからないほうが
いいのでしょうね。絵も物も人も。
その方が長く楽しめる?


アバター
2009/01/17 20:27
私の研究室では「好きなことを研究すると、好きなものがどうでも良くなる」人が何人かいました。ちなみに、以前にも書きましたが、芸術学・比較文化学研究室です。私もどうでも良くなった一人。私の場合は、知識欲は残ったのですが、作品事態はどうでも良くなりました。はじめから知識の方によっていたから、それでもましなほう。

一年後輩にミッフィーの好きな女の子がいたのですが、私の卒業間際に聞いたら、「どうでもよくなっちゃった」と・・・。うちの研究室は比較的何でもできる。過去には、ビートルズについてとか、たま(バンドです)についてなどもいたらしい。先生が対応しきれないため、卒論のレベルは低いとか。でも、ミッフィーを軽く見てはいけません。「ミッフィー」別名「うさこちゃん」(出版社の違いらしい)、本名「ナインチェ」が生まれた当時、あのデザインは当時の現代芸術の影響を強く受けていました。当時の絵本は写実中心だったため、大人たちは子どもには理解できないものと思っていたらしい。なので、その当時の芸術作品との比較で研究することもできる。後輩の話に戻します。彼女が研究室に30冊以上の絵本を持ち込んだときには、驚きました。それで年代ごとに説明してもらったのですが、ミッフィーの顔が変わっている。色もある時期を境に使われるようになったもの、使われなくなったものなど、楽しそうに語ってくれたのに・・・。どうでもよくなっちゃった。って、私もショックでした。

彼女の場合ハードルが高く、やりたいように研究を進められなかったことも問題だったようです。出版社に問い合わせ、断れたりしてたらしい。

その作品を知るために、作者を知ることも大切かもしれません。でも、深入りしないでください。せっかく好きになったのだから、ずっと好きでいてほしい。

ユトリロの絵をインターネットで見てみました。あの空気は好きかもしれない。




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