トランプ大統領 日本に不満 交渉打ち切りか
- カテゴリ:ニュース
- 2025/07/02 00:18:44
●「不公平だ」トランプ大統領がニュース番組で日本に強い不満 自動車関税めぐり譲歩しない姿勢を示唆 (TBS NEWS DIG Powered by JNN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d09a25c995cf9755488d15eeabb590949f95cd1
●トランプ氏「親愛なる日本様、車の関税は25%」「これで貿易協定終わりと手紙送る」…FOXで発言 (読売オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250630-OYT1T50023/
現在、日本は乗用車の輸入関税を撤廃し0%であるのに対し、米国ではトランプ大統
領就任前から乗用車に2.5%、トラックには25%の関税がかかっています。
日本と米国では、右ハンドルやウィンカーの色の違いもあります。しかし、日本は左
ハンドル車の輸入を禁止していない一方で、アメリカは原則右ハンドル車を輸入禁止
にしています。右ハンドルの国は日本以外にもオーストラリアやイギリスなど他にも
存在しますし、欧州でもウィンカーは赤ではなく橙色が標準です。
むしろ、制度に不公平感を感じるのは日本側ではないでしょうか。
たとえトランプ元大統領が日本でアメリカ車が売れないことを「不公平だ!」と不満
を述べたとしても、最終的に何を買うか判断するのは消費者です。消費者が求めるも
のであれば、多少高くても売れますし、逆に求めていないものは、たとえ安くても売
れないでしょう。
欧州の自動車メーカーは日本市場に合わせた車両を販売し、高価格帯でも人気を博し
ています。米国車でもジープブランドの車は日本で人気があり、先日もわずか数分の
間に異なる車種のジープ2台とすれ違いました。私の地元ではジープや昔のアメ車を
時々見かけます。
対照的に、価格面や販促面で努力したにもかかわらず、失敗に終わった例もあります。
1996年、日米の自動車貿易摩擦解消の一環として、ゼネラルモーターズ製のキャバリ
エ(セダン、クーペ)の右ハンドル車が、トヨタによってトヨタ・キャバリエとして
販売されました。日本車と比べても割安な価格設定で、有名タレントを起用したCMを
流すなど、多額の販促費がかけられました。しかし、これほどの販促努力にもかかわ
らず販売台数は低迷し、わずか4年で販売が打ち切られています。
2024年にアメリカで最も売れた車は、排気量が5000ccや3500ccターボで、全長
5.5m、全幅2.2mのピックアップトラック「フォード Fシリーズ」でした。代表的なモ
デルであるF-150 ラプターの車両価格は約700万円で、燃費は約8.1km/Lです。
対して、2024年に日本で一番売れた車(軽自動車および普通小型車を含め)は、排気
量が660ccで、全長3.4m、全幅1.48m以下の軽自動車「ホンダ N-BOX」でした。車両
価格は170万円~250万円で、燃費は約25km/Lです。
アメリカ車が日本で売れないのは、関税などの制度的な障壁より、日米の道路インフ
ラや生活環境の違い、車の使い方の違いなど、日米で市場が求めるニーズの違いから
売れる車種が異なるためだと言えるでしょう。
「フォード F-150 ラプター」と「ホンダ N-BOX」、日本で個人購入の多い「軽トラッ
ク」を同じ場所に並べ、大きさの違いが分かるように複数の角度から写真を撮り、車
両価格と燃費の値を書き込んだ写真パネルをトランプ大統領に見せれば、日米の消費
者が求める車の違いが視覚的に解りやすくて良かったのではないでしょうか。