【琥珀】私の物語
- カテゴリ:自作小説
- 2025/07/01 23:59:40
薄れゆくまどろみの中からふっと意識が浮かんだ。
なにか先程まで夢を見ていた気がするが…
残念なことに全く覚えていない。
いや、悪夢であった可能性を考えると残念とも言い難い。
ぼんやりとする頭でそんなことを考えつつ
ふたたび襲いかかる睡魔を首を振って遠ざけ、時計を一瞥。
…4時26分。
4時、26分、か。
よん、たす、にぃ、は…ろく…
…待て、4時26分??
不意に頭がしゃきっとした。
確か昨日の私は6時にアラームを設定したはずだ。
そして普段の私ならば。
その時間まで熟睡しているはずである。
それがアラームの1時間34分前に目覚めるなんて。
おかしい。絶対になにかがおかしい。
その違和感に同意するように脳もなにかを訴えかけてくる。
私はなにか忘れているのだろうか。
そんなことを思いながらもまだ寝る時間は十分にあると考え、
睡魔に身を任せようとしてみる。
…寝れない。
眠気はある。だが寝れない。
貴重な睡眠時間を諦め、まだ重いからだを起こす。
その瞬間、目に入るカレンダー。
そして今日の日付についたピンク色の花丸。
先程まで感じていた違和感の正体がわかった。
どうやら寝起きで頭が働かなすぎて、大切なことを忘れていたらしい。
今日は…今日は…
_____“彼”と海、行く日だ…!
この日をどんなに待ち望んでいたことだろう。
彼…つまり恋人…と。今日。海に行く。
脳がそれを認識したその瞬間、
心臓の鼓動が嫌と言うほど聞こえる。
…あぁだめ!落ち着けない!落ち着けるわけもない!
からだが軽い。
はやく行きたくてたまらない。
いや早く行きすぎたところで何も意味はなさないか、落ち着こう…
落ち着け私…落ち着け…
…無理だ。全くもって落ち着けない。
むしろテンションがMAXになっている自覚がある。
…“彼”が絡むといつもこうなるなぁ。
もはや限界を超えてする頭でそんなことを考えていたら
とてつもなく軽いからだが勝手に寝室から出ていった気がする。
ドキドキ、鼓動も上昇・・そんな雰囲気がとても伝わってきます♡
きらきらした恋の鼓動が聴こえました、
素敵な物語をありがとうございます♪♬
✿~✿~✿ ☆ ✿~✿~✿
♡企画へのご参加ありがとうございました♪
♡またよろしくお願い致します☆
♡琥珀の部屋:運営部より☺
✿~✿~✿ ☆ ✿~✿~✿