Nicotto Town


ちょこころねの日記


いつかまたきっと・・・


今日は特別なお話を書こうと思います。

店のドアに付いている、軽やかなベルの音が響いたのを聞いたセバスは、店に入ってきたお客様に声を掛けました。
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」

そのお客様は紫色の綺麗なラインの綺麗なワンピースを着ていました。その服は、気品のあるその女性の雰囲気にぴったりでした。

その女性は、店内に入るとすぐに迷うことなくお菓子が並んでいるケースの前に進み、お菓子を選び始めました。


今日はセバスが普段材料を買い求めに来ている洋菓子店の新作の洋菓子の発売日。
その洋菓子は店主から頼まれて、セバスがレシピの制作に協力していましたが、お客様の反応が気になって一日だけアルバイト店員としてカフェコーナーでお仕事をさせてもらっているのでした。

お客様の注文を待っていると、
近くのテーブルに座っているセバスの仕事ぶりを観察しに来たお嬢様がキラキラした目でそのお客様を見つめているのに気が付きました。

(お嬢様・・・綺麗な方だからお気持ちは分かりますが・・・だめですよ。そんなに見つめては・・・)
セバスはお嬢様の様子にはらはらしましたが、なにせ接客中ですので、その場を離れるわけにもいかないのでなんとか我慢しました。

「こちらのお店のおすすめはありますか?」

「お客様のお好みによるかと思いますが・・・今日は新作のお菓子がございますので、そちらはどうでしょうか?」

「そうね、じゃあそれを頂くわ。あとはもう一つくらい・・・」

「それではこちらのフルーツタルトはいかがでしょうか?」

「いいわね。私果物が好きだから。それもお願いします」

「では、テーブルにお持ちいたしますのでおかけになってお待ちくださいませ」
セバスが静かにお辞儀をすると、お客様は頷いて、お願いしますと言ってから席に向かった。

店の奥で準備をしていると、お嬢様がやってきました。
「ねえねえ、セバス、あの方とっても素敵ね✨
まるで王妃様みたい。とっても綺麗な方よね」

「はい、私も、あの方がお店にいらしたときから、店内の空気が変わったような、そんな感じがいたしました。
ですが、あのようにじっと見つめたりしては、失礼になりますよ。お止め下さいね、お嬢様」
そうセバスが叱ると、

少し口をとがらせて、「だって仕方ないわ、あんなに素敵なんですもの」と残念そうにお嬢様は答えました。

「それでも、相手の方がどう思われるかよくお考え下さい」

「じゃあお仕事でならお話しても大丈夫でしょ?私がお菓子をお持ちするわ」

「そうですね、運んで下さるのは良いとして、あまりたくさんお話してはだめですよ」

はーいと笑顔で答えたお嬢様は、いそいそとそのお客様の所へ向かいました。

「お待たせいたしました。ほろ苦クリーミー特別なコーヒーゼリーとフルーツタルトでございます」とお嬢様はよそ行きの声でお客様に言うと、

「はい、ありがとう。お嬢さん」とお客様が答えました。

さっそくコーヒーゼリーを食べているお客様にお嬢様は何か話しかけたがっていますが、その方は食べるのに夢中のようで・・・(´艸`*)

セバスがお客様からお嬢様を引きはがそうと、近くまで行くと、「あら、この二層目はチョコムースになってるのね」とお客様が仰ったので

「はい。その下はミルクゼリーになっております」

「これならコーヒーとチョコレートどっちの味も楽しめていいわね」

「ありがとうございます。チョコレートのお好きな方にも楽しんで頂けたらと思いまして、コーヒーゼリーは苦味を残して、チョコレートムースは少し甘いレシピになっております」
と自分のレシピを説明しました。

「味も食感もとってもいいわ。夏にぴったりね」
そう言って、ゼリーを食べ終えると今度はフルーツタルトを美味しそうに食べました。

帰り際に、「とっても美味しかったわ。またすぐにでも伺いたいくらい」とお客様が仰ったので、
「夏の間はこのゼリーをお出ししていますので、ぜひおいでください」とセバスが言うと、
「実は私、しばらく旅に出る予定なのよ。世界中行きたい所をあちこち回ってくるつもりなの」と答えられました。

「そうでしたか・・・。ではお帰りになられたら、是非またお立ち寄りください。お待ちしています」とセバスは言いました。

お店を出て行くお客様にセバスはゆっくり静かにお辞儀をしながらお見送りしました。

後ろからひょっこりと顔を出したお嬢様が
「本当に素敵な方だったね、セバス。また会えるかな?」と言うと、

「そうですね、いつかきっとまたお会いできる、そう思いましょうか」とセバスは答えたのでした。

今回のお話を書いたのには理由がありました。
このお話を通じて、先月旅立たれたとても素敵なニコ友さんとのお別れをしようと思ったからです。
お話に登場した女性はその方のイメージで書いてみました。
私のお話を楽しんで下さっていましたので、お話に登場してもらっても怒ったりはされないかな?と思ってセバスに力を借りました。

綺麗な気品のあるコーデがお上手な方で、ご本人も上品で、かつ率直でクールな面もお持ちで、さらに少女のような可愛らしさもお持ちだったなと私は感じていました。

素敵なコーデに惹かれてお友達にしてもらったのが4年近く前でしたが、その前からお邪魔していたので5年くらいのお付き合いかなと思います。
お菓子や果物がお好きなところは私も同じで、そんなお話も色々と楽しんだり、ユーモアのある面白いコーデもなさっていたので、そのコーデも楽しくてコメントなどで交流させてもらっていました。

美しいコーデにはその方の美意識の高さやセンスが表れていたように思います。
私が持ちえない感性をお持ちで、憧れの方でもありました。
美的感覚と、品位を感じさせる感性をお持ちでいながらも、フランクに交流して下さる、そんなお人柄に触れることができて幸運だったと思っています。

もし現実でお会いしていても、きっと声をかけて知り合いになって欲しいとお願いしていたような気がします。

旅がしたいと仰っていたので、今頃お好きな場所をあちこち回られているんじゃないかなとコーデはそんなイメージで作りました。

いつかまたきっと・・・お会いしたい。
できることなら次は現実の世界で、今度はもっと恥ずかしがらずに色んなお話を聞いてみたいです。

沢山の学びと共に・・・素敵なあなたの世界を見せて下さって本当にありがとうございました✨





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