Nicotto Town



学生気分






声をかけられて顔をあげるまで
本に読みふけっているのが学生時代の
僕たちの待ち合わせの流儀だった

一つの本を閉じたら
すぐに次の本に向かわずにはいられない
そんなふうに時間は流れていた
きっとお互いさえも新しい本のように思えていたのかもしれない

小説やちょっと小難しい本を読まなくなって久しい
あんなに理屈っぽく喧々諤々と議論した学生時代
年を取るって角が取れて丸くなるんだ
中学生の頃習った
まるで下流の石ころのように
そんなんでいいのか、と自問自答
いいわけないじゃん!
でも、悲しいかな・・・

君と待ち合わせ
今日は漫画でも週刊誌でもスマホでもなく
ちょっと学生気分で文庫本持ってきた







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