理屈っぽい
- カテゴリ:小説/詩
- 2025/06/16 21:36:35
24色の色鉛筆じゃ色が足りないって僕が文句を言うと
君は魔法のように色を作って空を描いた
君の描く空は風が吹き
雲や木々の梢を微かに揺らす
木漏れ日の下でも日差しは鋭く
帽子をかぶりなおして君は微笑んだ
君は名前を付けるのが好きだ
「空からもらった水色の時間と海の幸のマリネ」は
僕の大好物だ
このサラダに名前を付けてというので
「都合よく平凡なサラダ記念日」と言ったら
後を向いて肩で笑った
「太ったね!」って言ったら
君は小さなドレスを買って来て
「あなたが望む私になるわ!」と言う
あなたに言われたからじゃなく、私が私であるためと理屈を
言う
理屈ぽいっといつも僕を批判する君が今一番理屈を言う
「太った君もステキだ!」と僕は苦笑い