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ほっペタン


量子コンピューターPart1

今回は量子コンピューターのお話しです。

量子コンピューターというのは我々の未来を変えてしまうほどの恐ろしい計算能力を持った夢のマシンです。スーパーコンピューターで1万年ほどかかる計算もたった3分で終わってしまいます。

もしこれが、本格的に実用化されれば世界中のありとあらゆるものが解き明かされますので、SFみたいな時代に突入するんじゃないかと期待されています。

例えば、医療分野で実用化されると、人体1つ1つを細胞単位で計算することで現在では、治療方法が解明されていない不治の病を直すことができるようになったり、さらには病気を未然に防ぐ研究により、病気そのものから解放される可能性であったり、細胞を活性化させる技術の開発により一気に寿命が伸びたり、もちろん医療だけじゃなくありとあらゆる、テクノロジーが爆発的に加速していきます。

人類はまもなくその時代に突入します。そして我々はあと5年後の2030年これぐらいからそういった時代に徐々に入っていく可能性が高いと言われています。

量子コンピューターは普通のコンピューターとは、考え方が全く違って、計算そのものに量子の性質を使います。

量子には非常に奇妙な現象が存在していまして、その現象を利用して計算してゆきます。

コンピューターが計算に使う0と1、これのことをビットと言いますが、量子コンピューターが使うビットは量子ビットです。
最大の特徴は普通のコンピューターのビットでは0か1これらのどちらかしか存在しないのに対し、量子コンピューターが扱う量子ビットには0と1の両方が同時に存在することができます。

これを重ね合わせと呼びます。

え何それ全然わかんないって感じになりますよね。ということで量子の世界がイメージしやすいように例え話をしますね。

例えば皆さんの手元に箱があったとします。その中にコインが入っているとすれば今裏なのか表なのかというのはすでに決まっているはずですね。

1度開けて裏だった場合はその後を閉じてもう1度見ても必ず裏のはずですよね。しかしこれが量子の世界では違います。なんと箱の中のコインは裏でもあり表でもある。そういった状態になっています。

この裏か表が決まる瞬間っていつかと言うと観測したタイミングで決まります。箱を開けて見てみたタイミングで結果が出るこういった現象が存在します。

イメージとしては量子の世界では、観測するまで結果が分からないような不規則な世界が存在するということなんです。
これを活用すると計算速度は恐ろしいことになります。例えば2ビットの世界には00~11というものが存在します、ここでコンピューターに全ての値を計算してと、指示を出すと、上から順に00、01、10、11、こうやって計算を繰り返してくれるんですね。はい4回計算が必要でした。

しかし量子コンピューターでは0でも1でもない状態で待機されているので計算をしてと指示すると、1回の計算で全て終わってしまい、4倍の速度ですよね。

ここでなんだ、たった4倍かと思った方もいるかもしれませんがとんでもありません。

注目して欲しいのはこの差が、ビット数が増えるごとに指数関数的に広がっていくという点なんです。2の倍で増えていくので4ビットだと16倍
8ビットだと256倍16ビットだと約6万5000倍、64ビットだと1844京倍128ビットだと340澗倍そして今回開発された256量子ビットの世界ではなんと11億無料大倍。
この無料大数って単位聞いたことあります?万・億・兆・京・垓(がい)・姊(し)・那由多(なゆた)・不可思議(ふかしぎ)・無料大数(むりょうたいすう)

ここの単位ですからね。もうここまで来ると宇宙に存在する全ての原子の数の何万倍にも匹敵するようなレベルです。これだけの計算を1度に行えるポテンシャルが
あるってすごくないですか?

だからこそ今未来を切り開く鍵として注目されているのが量子コンピューターです。

1981年アメリカの物理学者リチャード・ファインマン氏が量子という、この奇妙な動きを、コンピューターでシュミュレーションしたいなと考えていたのです。
しかしコンピューターには0と1のはっきりとした状態しか扱えないので0でも1でもあるというこの量子の曖昧さこれを、表現することはできないと気づきます。

そこでファインマン氏はこう言いました「ああだったら量子そのものを使ったコンピューターを作ればいいんじゃね」

これが量子コンピューターという概念の誕生です。

時は進み、2019年Googleが53量子ビットのコンピューターを開発。そしてこう言いました「やったついに超越性を達成したぞ」何それって思いますよね

分かりやすく言いますと普通のコンピューターでは絶対立ち打ちできないようなタスクをクリアしてしまったぞということを言っています。

具体的にはスーパーコンピューターで1万年もかかってしまうような計算をこのGoogleの量子コンピューターはたった200秒で終わらせてしまうという実験に成功しました。

1万年が200秒ってすごくないですか。一応この時解いたた問題は、量子コンピューター用に作られたかなり偏った問題だったので、本当にここまでのすごい性能が
あったというわけじゃないらしいのですが、それでもこの結果は世界中を驚かせました。

そしてついに今年は、2025年4月富士通と理学研究所がなんと256量子ビットもの量子コンピューターを完成させました。

これはもちろん世界最大規模、そしてさらに来年には、「約1000量子ビットの量子コンピューターを完成させる」

このように発表しているんですね。日本めちゃくちゃすごいです。これまで日本はこの分野で世界に大きく遅れを取っていたんです。ですからアメリカ・ヨーロッ・中国の研究者たちも、日本がここまで来ているとは思わなかった。このような驚きのコメントが多く寄せられたそうです。

256量子ビッドって理論的には11億無料大数ほどの計算を同時にできてしまうというポテンシャルを持っているわけです。

ここまで読まれた方は、そんなにすごいのであれば世界のテクノロジーはもう急加速し出すんじゃないか、そう思われた方も多いと思いますが実はそうではありません。

まだまだ超えなければならない山があります。それが、エラー耐性。量子ビットにとって最大の敵はエラーなんです。ノイズにめちゃくちゃ弱く、すぐにデータが
壊れます。例えば地球には常に宇宙から粒子宇宙光線というのが振り注がれていますが、これらがたった1個でも量子ビットにぶつかると壊れてしまいます。

機械が振動したり音が出るだけでもダメ。微細な熱を持つと一発で、アウト。何をやっても壊れてしまうので、扱いが難しすぎるんです。

ですから基本量子コンピューターは-273℃近く絶対零度付近で動かしています。
上から冷気を出して下に降りるにつれてどんどん温度が下がりそして超電動チップがある辺りでは-273℃近くもうキンキンに冷えまくっています。

さらには外部からのノイズをカットするためにシールドでガードです。

そこまでしてもエラー制御は難しい、だから今は、本来1個あればいいはずの情報を例えば15個ぐらいの量子ビットに分散させて何個かの量子ビットがエラーを起こしても全体としては正しい情報を保てるようにしています。

以下パート2へ続く






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